【激変】あいさつ指導で習慣づける7つのステップ!

どうも、まっつーです。
学級で子どもたちの様子を見てる中で、「子どもたちがなかなかあいさつをしない…」「無理やり言わせるのは違う気がするけど、どう指導すればいいの?」と悩んでいませんか?
あいさつは、人と人との関係をつくる最初の一歩です。にもかかわらず、「恥ずかしいから言わない」「目を合わせない」「聞こえないくらい小さな声で言う」といった子どもたちの姿に、モヤモヤした気持ちを抱えている方も多いかもしれません。
でも、大丈夫です!
自然にできるようになるには時間がかかるかもしれませんが、毎日の関わりや声かけの積み重ねが、確実に子どもたちのあいさつが変わっていきます。
今回の記事は、あいさつの意味や目的、子どもたちがあいさつできるようになるための7つの指導ステップなどをわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 子どもたちが自然とあいさつできるようにしたい
- あいさつが苦手な子への接し方に悩んでいる
- あいさつの大切さを子どもにどう伝えればいいか分からない
- 学校全体であいさつをする雰囲気をつくりたい
この記事を読めば、あいさつが自然にあふれる学級(学校)づくりのヒントがきっと見つかります。
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あいさつの意味
挨拶(あいさつ)とは、人と会ったときや別れるときに交わす礼儀正しい言葉や動作のことです。さらに、式典や集会で改まって気持ちを伝える言葉や、感謝や敬意を表す行為も挨拶に含まれます。
「挨拶」の語源は、仏教の禅宗における修行の一場面にさかのぼります。
師匠が弟子に問いかけをし、その答えを通じて悟りの深さを見極めることを、「一挨一拶(いちあいいっさつ)」と呼びます。
- 「挨(あい)」の意味…心を開く、押す
- 「拶(さつ)」の意味…心に近づく、迫る
つまり、「挨拶」とは、自分の心を開いて、相手に歩み寄る行為を表しているのです。
この「一挨一拶」が時代とともに変化し、人と人が出会ったときや別れるときに交わす礼儀ある言葉や動作である「挨拶」へと発展していきました。
実は挨拶は略語だった!?
私たちが使っている挨拶の言葉は、もともとはもっと長い丁寧な言葉を短くした「略語」だったのです。
略 語 | もともとの表現 |
---|---|
おはよう | お早くからご苦労様です |
こんにちは | 今日はお元気ですか |
こんばんは | 今晩は良い夜ですね |
さようなら | 左様ならば失礼します |
行ってきます | 行って参るが必ず帰ってきます |
行ってらっしゃい | 無事に行って帰ってらっしゃい |
もしもし | 申す申す |
今の挨拶の言葉には、相手への思いやりやねぎらいの気持ちがギュッと詰まっているということです。
もともとの表現を見ればわかるように、「こんにちは」「こんばんは」の「は」は、助詞の“は”として使われているため、「こんにちわ」「こんばんわ」は誤りになります。

特に低学年の子どもの中には、「こんにちわ」「こんばんわ」だと思い込んだしまっていることがあるよね。

話し言葉では違和感がないため、聞いたままの音で覚えてしまったことが原因だと思います。正しい表記を丁寧に伝えていくことが大切です。
あいさつをする目的とは?
私たちは日常生活の中で、当たり前のように「おはようございます」「こんにちは」「ありがとう」といったあいさつを交わしています。
しかし、何のためにあいさつをするのでしょうか?
この目的を理解せずに、ただ形式的にあいさつをしているだけでは、子どもたちは意味を感じられず、身につけることが難しくなってしまいます。
習慣として根づくためには、大人がしっかりと伝えてあげることが大切です。

子どもたちが「どうしてあいさつをする必要があるの?」と質問してきたら、どう答えればいいのかな?

私は、あいさつをする目的を次の6つに分けて、わかりやすく説明します。
- 人との関係を始める「きっかけ」になる。
- 相手への思いやりや敬意を伝える。
- 集団生活のリズムやけじめをつくる。
- 安心感や信頼感を生み出す。
- 自分の印象を良くする。
- 社会の基本的なルールが身につく。
①人との関係を始める「きっかけ」になる
あいさつは、人と人との関係を築く最初のきっかけになります。
何か特別な言葉を使わなくても、「おはようございます」「こんにちは」といったたった一言の声かけで、相手との距離がぐっと近づくことがあります。
この一言には、「これから関わりたいと思っていますよ」「あなたとお話がしたいです」というメッセージが込められています。
特に、初対面の相手や久しぶりに会う人とのあいさつは、その後の関係性を大きく左右することがあります。
②相手への思いやりや敬意を伝える
あいさつは、ただの習慣や形式ではありません。その根っこには、相手を思いやる気持ちや、敬意をもって接しようとする心が込められています。
たとえば、「お疲れさま」は相手の働きや努力をねぎらう言葉であり、「ありがとう」には心からの感謝がこもっています。
たった一言でも、その人の気づかい・優しさ・礼儀正しさが相手に伝わるのが、あいさつの力です。
③集団生活のリズムやけじめをつくる
学校など多くの人と一緒に生活する場では、あいさつがルールや秩序を保つ大きな柱になります。
たとえば、小学校では朝の「おはようございます」から一日が始まり、帰りの「さようなら」で一日が終わります。
このリズムを大切にすることが、子どもたちの心の安定にもつながっていきます。
また、授業の前に「お願いします」、終わったあとに「ありがとうございました」と言うことで、活動の始まりと終わりが明確になります。
これは、ただの言葉ではなく、けじめをつける行為そのものなのです。
このように、あいさつは集団の中での時間の区切りや行動の切り替えを自然に促す働きをします。
④安心感や信頼感を生み出す
あいさつには、言葉の裏に「あなたを受け入れています」「敵ではありませんよ」というメッセージが込められています。
つまり、あいさつは人と人との心のバリアをゆるめる“合図”でもあるのです。
特に初対面の相手に対しては、あいさつの有無が印象を大きく左右します。「こんにちは」「はじめまして」と声をかけるだけで、相手の緊張を和らげ、心の距離を縮めることができます。
反対に、あいさつがないと「この人、怒ってるのかな?」「近づきにくいな」と思われ、コミュニケーションがうまくいかなくなる原因にもなってしまいます。
⑤自分の印象を良くする
あいさつはほんの一瞬の行動ですが、その人の印象を決める力を持っています。
たとえば、元気にあいさつができる人は、それだけで「明るく感じの良い人」「信頼できそうな人」というポジティブな印象を与えることができます。
このような人は、周囲との人間関係もスムーズに築かれていきます。
一方で、あいさつをしない人や、目を合わせず小さな声でボソッとあいさつする人には、「機嫌が悪いのかな?」「近づきにくい人かも…」というネガティブな印象を与えてしまうこともあります。
⑥社会の基本的なルールが身につく
あいさつは、社会で生きていくうえでの最も基本的なマナーのひとつです。
あいさつができない人は、周囲から「礼儀がない」「協調性がない」「感じが悪い」と見られてしまうことがあります。
その結果、信頼関係が築きにくくなり、仕事での連携がうまくいかなかったり、大切な情報が共有されにくくなったりと、知らないうちに損をしてしまう場面が増えてしまうのです。
また、あいさつは日本だけでなく、世界中どこに行っても通じる「人と関わる重要なルール」です。
文化や言語が異なっていても、「こんにちは」「ありがとう」といった言葉を交わすことで、心が通い、関係が築かれていきます。
だからこそ、子どものうちからあいさつをしっかり習慣づけておくことが、将来社会に出たときに大きな武器になるのです。
挨拶に関する調査結果
株式会社クロス・マーケティングが実施した「挨拶に関する調査(2024年)」によると、全国の20歳〜69歳の男女を対象に、挨拶が人に与える影響について調査した結果、非常に興味深い傾向が見られました。
まず、「挨拶をすることによる影響」について、約7割の人が「人間関係や自分の気持に良い影響がある」と回答しています。
これは、挨拶が単なるマナーではなく、人との関わりや自身の気分を前向きにする力を持っていることを示しています。
さらに、「挨拶について感じていること」を尋ねたところ、約4割の人が「挨拶をしてくれる人には良い印象を持っている」と回答しています。
つまり、多くの人が日常の中で、あいさつをする人に対して好意や信頼を感じているということです。
これらの結果からも、あいさつは人間関係の潤滑油であり、周囲との信頼づくりにおいて非常に有効な手段であることがわかります。
あいさつをしない人は意外と多い
学校では、「子どもたちにあいさつの習慣を身につけさせたい」という願いから、「あいさつ運動」や「あいさつ週間」などの活動がよく行われています。
朝、校門に立ってあいさつを交わしたり、子どもたちが当番になって元気よく声をかけたりする姿を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
また、学級の中でも先生が「あいさつをしっかり行いましょう」と指導したり、週目標として「元気よくあいさつをしよう」を掲げたりすることがよくあります。
実はこのような取り組みは、学校だけでなく企業でも行われていることがあります。
大人でもあいさつの練習!?
たとえば、アサヒビールや無印良品などの大手企業では、社内で「あいさつ運動」を取り入れ、社員同士のコミュニケーションを円滑にするための工夫がされています。
出勤時や休憩中など、社員同士が顔を合わせるタイミングで元気にあいさつを交わすことで、職場全体の雰囲気が明るくなり、コミュニケーションが活発になるという効果があるのです。
また、新入社員研修やビジネスマナー研修の中で、「あいさつの仕方」や「声のかけ方」などを丁寧に学ぶ時間を設けている企業も少なくありません。
こうした取り組みからわかるように、あいさつは子ども時代だけに必要なものではなく、大人になってからも求められる“社会人としての基本”なのです。
裏を返せば、社会に出てからも「あいさつが苦手」「あいさつをしない」という人が一定数いるということでもあります。
あいさつをしない大人は約3割
前述した、株式会社クロス・マーケティングが2024年に実施した「挨拶に関する調査(2024年)」によると、「どの程度挨拶をしているか」という問いついて、約7割の人が「よくしている」「ある程度している」と回答した一方で、約3割の人は「どちらともいえない」「あまりしていない」「ほとんどしていない」と答えています。
この結果は、対象がすべて社会人であるにもかかわらず、約3人に1人が日常的にあいさつをしていないという、見逃せない現状を表しています。
この数字を子どもに置き換えてみると、たとえば1クラス30人の学級で考えた場合、約10人の子があいさつを十分にできていない可能性があるということです。
もちろん、学校や地域の環境によって差はありますが、「あいさつが苦手な子どもが一定数いる」という現実は、どの学級にも当てはまる可能性があります。
だからこそ、先生や保護者を含めた教育者が目指すべきなのは、その場しのぎのあいさつ指導ではなく、社会に出たあとも自信を持って自然にあいさつができる力を育てることです。
「あいさつを習慣として根づかせる」「気持ちを込めて伝えられるようにする」ためには、丁寧で継続的な指導が必要不可欠になります。
あいさつ指導のステップ
あいさつ指導がうまくいかない最大の原因は、あいさつが苦手な子どもに対して、いきなり「元気よく、大きな声であいさつしなさい!」と求めてしまうことです。
それはまるで一桁のたし算がまだ不安な子に、二桁のひき算をやらせるようなもの。
目標が高すぎると、子どもは実行できず、恥ずかしさや失敗体験から、ますますあいさつが苦手になってしまいます。
だからこそ、「今、何ができるのか?」という実態をしっかり見極め、無理のないステップから少しずつ段階的に指導することが大切です。
ここでは、あいさつを自然に身につけるための7段階のステップを紹介します。
- 相手の顔(目)を見る。
- お辞儀(会釈)をする。
- 相手を見て、お辞儀をする。
- あいさつの言葉をつぶやく。
- 相手を見てお辞儀しながら、あいさつの言葉をつぶやく。
- 相手に声が届くように、距離と声量を調整してあいさつする。
- あいさつの「質」を高める。
すべての子がステップ①から始める必要はありません。その子が「できそうだな」と思えるところからスタートすることが成功のカギです。
相手の顔(目)を見る
まずは、声を出す前に相手の顔や目を見ることから始めましょう。
これだけで、「自分はここにいます」「あなたを認識していますよ」という非言語的なメッセージが伝わります。
話を聞くときに目を見る、返事をするときに顔を向けるなどの姿勢が自然にできるようになることは、あいさつの第一歩です。
恥ずかしがる子も多いですが、まずは1秒でも目を向けられたらOK。
「目を見てくれたね」「ちゃんと顔を向けられたね」とできたことを具体的に認める声かけが大切です。
お辞儀(会釈)をする
声を出すのが難しい場合でも、お辞儀だけでも立派なあいさつになります。
最初はすれ違いざまにコクンと軽く会釈するだけで十分。
慣れてきたら立ち止まって、上体を軽く傾ける。そして、さらに慣れてきたら、背筋を伸ばして丁寧にお辞儀をするようにしていきます。
あいさつには言葉だけでなく、「動作」の美しさも重要な要素です。
相手を見て、お辞儀をする
このステップでは、①の「顔を見る」と②の「お辞儀をする」をひと続きの動作として結びつけます。
たとえば、「顔を見て → 会釈」や「目を見て → 立ち止まってお辞儀」といった、自然なあいさつの形を練習します。
これができるだけで、周囲の大人からも「この子は丁寧な子だな」と思ってもらえるようになります。
最初はぎこちなくても大丈夫。「一連の流れ」が自然になるように、繰り返し、少しずつ慣れていくことが大切です。
あいさつの言葉をつぶやく
今度は、実際に声を出す練習です。とはいえ、「大きな声を出しなさい!」「元気よく言いなさい!」といきなりハードルを高く上げる必要はありません。
まずは、相手に聞こえなくてもよいので、小さな声であいさつの言葉をつぶやくことから始めましょう。
口を動かすことで、「あいさつしようとする気持ち」が相手に伝わりますし、言葉を口に出すことの習慣化にもつながります。
「声が小さくても、あいさつしようとしていることが大事だよ」と、過程を認めて励ます声かけが効果的です。
相手を見てお辞儀しながら、あいさつの言葉をつぶやく
ステップ③と④を組み合わせて実践する段階です。
目を見る → お辞儀をする → あいさつの言葉を口にする、という一連の流れを意識します。
あいさつが苦手な子にとっては、ここがひとつのハードルになることもあります。
動作と声を同時に行うのは簡単そうに見えて、実際はなかなか難しいものです。
タイミングがずれたり、声が小さすぎたり、目がそらせなかったり……でも、うまくいかなくても大丈夫。
「よくチャレンジしたね」「今のもすごくよかったよ」と、挑戦そのものを認める姿勢が大切です。
相手に声が届くように、距離と声量を調整してあいさつする
ここからは、相手にしっかり声が届くように工夫する段階です。
まず、相手との距離感を意識しましょう。近すぎると恥ずかしいし、遠すぎると声が届きません。
その「ちょうどいい距離」を見つけ、その上で聞こえる声量であいさつする練習をします。
声の大きさを調整することは、実は高度なコミュニケーションスキルです。「あいさつ=気持ちを届けるもの」だという意識が、この段階で育っていきます。
あいさつの「質」を高める
ここまで来たら、最後はあいさつのクオリティアップにチャレンジです。
といった、あいさつの幅と深みを広げていく練習ができます。
ここまで来れば、あいさつはもはや「指導されるもの」ではなく、自分から進んで行う“人とつながる行動”に変わっているはずです。
週目標や学級のめあてで掲げられる「元気よくあいさつしよう」は、子どもたちにステップ⑦を求めるようなものです。
その子にとって「できそう!」と思えるところから始めて、少しずつ前に進んでいくことが何より大切です。
「今日はステップ②までできた!」「ステップ⑤でがんばってみよう!」と、達成感と成功体験を積み重ねることが、自然なあいさつ習慣につながっていきます。
あいさつの4ヶ条(頭文字あ・い・さ・つ)

子どもたちにぜひ覚えてほしい、シンプルで実践的な「あいさつのコツ」があります。
それがこの「あ・い・さ・つの4ヶ条」です。
語呂もよく、掲示物や学級のめあてとして掲げやすいので、日々の生活指導の中でも自然に取り入れやすいのが特長です。
先生の声かけの軸としても、保護者への共有ポイントとしてもおすすめです。
あ:明るく元気に
明るい声と元気な態度のあいさつは、相手に「あなたと関わりたい」という気持ちをまっすぐに伝えます。
あいさつは第一印象を決める大事な瞬間。たとえ短い一言でも、笑顔で明るく言われると相手の心に温かさが残ります。
子どもたちには、「相手が気持ちよくなる声で言ってみよう」と伝えると、自然と相手意識を持たせることができます。
い:いつでも、どこでも、だれにでも
あいさつは、一日を通して特別な相手や特定の場所だけでするものではありません。
学校の先生や友達はもちろん、保護者、地域の方、来校者、用務員さんなど、すべての人があいさつの対象になります。
また、登下校の通学路や校門、教室、図書室、職員室、廊下、公園など、場所を問わずあいさつのチャンスはたくさんあります。
あいさつには「あなたの存在を大切に思っています」という、シンプルだけれど力強いメッセージが込められています。
たとえ名前を知らない相手でも、目を見てあいさつをするだけで、安心感や信頼感を与えることができるのです。
さ:先にすすんで
あいさつは、「されたから返すもの」という受け身の姿勢ではありません。
自分から先にすすんであいさつすることで、相手との関係を前向きに築いていこうとする主体的な姿勢が重要です。
これは心理学でいう「返報性の原理(誰かに何かをしてもらったら、自分もお返ししたくなる心理のこと)」にもつながっており、自分が先にあいさつをすることで、相手も自然とあたたかく返してくれるようになります。
「あいさつをする」ことは、人間関係の第一歩です。そして、先にあいさつをする人は、信頼され、好かれやすくなるのです。
つ:続けて次の言葉を
「おはようございます」「こんにちは」といった基本のあいさつだけで終わると、そこで会話がストップしてしまいます。
しかし、そこにもう一言、言葉を続けることで、あいさつがただの習慣ではなく、人と人とのコミュニケーションのきっかけになります。
こうした「続ける一言」が加わると、相手との距離がグッと縮まり、人間関係もあたたかくなるのです。
苦手な子のための「あいさつ4か条」

あいさつが苦手な子どもでも無理なく取り組める「あいさつ4か条(あ・い・さ・つ)」に構成しました。
あ:相手の顔を見るだけでOK!
あいさつの時に、相手の顔を見るだけで大丈夫。最初は声が出なくてもいいんです。
「あなたに気づいていますよ」という気持ちは、目線や体の向きだけでもちゃんと伝わります。
まずは「声を出す」よりも、「相手を見ること」「顔や体を向けること」から始めてみましょう。
それができたら、少し体を動かして「うなずく」「手を振る」などジェスチャーで反応すると良いと思います。
い:今は小さな声でもいい
最初から大きな声を出そうとしなくてOK。口の動きだけでも、つぶやくだけでも立派なあいさつです。
「声に出すのが不安…」という時は、自分だけに聞こえる声でつぶやくところからスタートしましょう。
慣れてきたら、少しずつ声のボリュームを上げていけば大丈夫です。
さ:さがそう、相手とタイニング
仲の良い友達や、優しく声をかけてくれる先生、家族など、「この人にならあいさつができそう」と思える相手を見つけ、そこから少しずつあいさつできる人を増やしていきましょう。
また、「朝は眠くて声が出にくいけれど、帰り際の『さようなら』なら言える」といったように、自分にとって言いやすい時間帯や場面があるかもしれません。
無理をしてすべてを一度に頑張るのではなく、「今なら言えそう」というタイミングを自分で見つけてみましょう。
「あいさつが言える相手やタイミングを、自分自身で探していくこと」が、あいさつが上手になるための大切な一歩です。
つ:続けることで上手になる
あいさつは、いきなり上手になるものではありません。毎日少しずつでも続けていけば、知らないうちに自然にできるようになります。
「今日は目を見てみた」「明日は声を出してみよう」「3人に言えた」など、小さな“できた”の一歩一歩が、やがて自信と習慣につながります。
大切なのは、「うまくできなかったこと」ではなく、「今日はここまでできた!」という前向きな気持ちと達成感を持つことです。
まとめ
今回はあいさつの意味や目的、子どもたちがあいさつできるようになるための7つの指導ステップなどについて紹介しました。
- あいさつは、相手の存在を認め、信頼関係の土台を築く大切なコミュニケーションであること
- 「大きな声で」だけを目標にするのではなく、気持ちや表情、タイミングといった“心のこもったあいさつ”を育てていくこと
- 段階的な指導と、子ども自身の気づきや達成感を積み重ねていくことが、あいさつ習得の近道であること
この記事を読んだことで、「ただ声を出す」だけのあいさつではなく、気持ちや思いが込もった“心の通うあいさつ”の育て方がきっと見えてきたと思います。
また、「とにかく大きな声を出せばOK」という評価から一歩進んで、タイミング・表情・姿勢・気持ちといった多様な視点で子どもたちの頑張りを認めていくことの大切さにも気づけたはずです。
先生のちょっとした声かけや日々の関わりが、子どもたちの心を動かし、やがて「自分から気持ちよくあいさつできる力」へとつながっていきます。
子どもたちと一緒に、心が通い合う“あいさつのある教室”をつくっていきましょう!