【本質に迫る】学級を育てる“当番活動×指導”の考え方!

どうも、まっつーです。
学級経営を進めていく中で、「子どもが当番活動に前向きじゃない!」「どうやって当番活動を指導すればいいの?」とお悩みではないでしょうか?
当番活動は、学級の中で子どもたちが自分の役割をもち、みんなのために動く経験ができる大事なチャンスです。
しかし、当番活動をただの「やることリスト」や「義務的な仕事」として扱ってしまうと、子どもたちは本気になれず、自主的に動こうとはしません。
だからこそ、効果的な指導をすることが、子どもたちの意識や行動を変えるカギとなります。
今回の記事は、当番活動を通して学級を育てるための指導とその考え方をわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 先生が指示をしなくても、自然と子どもが動く当番活動を実現したい
- 子どもたちが当番活動を「自分ごと」として取り組めるようにしたい
- 子どもにも保護者にも「なるほど!」と納得してもらえる指導をしたい
この記事を読めば、「仕事をこなすだけの当番」ではなく「学級を育てる当番」へと進化させ、子どもたち一人ひとりが輝ける学級づくり可能にします。
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当番活動の指導
当番活動を円滑に進めていくためには、子どもたちが学級の一員としての責任を持ち、役割を果たせるように先生が指導していくことが重要です。
ただ仕事をやらせるのではなく、「なぜそれをするのか?」「どうすればみんなが気持ちよく過ごせるか?」を一緒に考え、行動できるようにします。
こうした指導を通して、子どもたちは協力する力や責任感、社会の一員としての意識を少しずつ育むことができるのです。

指導のねらい
【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説の61ページには、指導のねらいが以下のように示されています。
指導に当たっては,①多様性を認め合いながら,他の児童と力を合わせて働くことの大切さや自分のよさを生かすことについて考えることができるようにするとともに,②自分の仕事に対して工夫しながら役割を果たすことができるようにすることが大切である。
①と②について解説します。
①多様性を認め合い〜できるようにする
多様性を認め合いながら,他の児童と力を合わせて働くことの大切さや自分のよさを生かすことについて考えることができるようにする
友達それぞれの考え方や感じ方、得意なことや苦手なことのちがいを認め合い、そのうえで協力して取り組むことの価値や意味を、実際の活動を通して感じ取れるようにすることを意味しています。
たとえば、みんなで掃除をするときに、「この場所はぼくがやるよ」「私はここをきれいにするね」と声をかけ合って、それぞれの力を出し合えば、ひとりでやるよりも早く終わったり、楽しく作業できたりします。
こうした経験を積み重ねていくことで、子どもたちは「人と違っていても大丈夫」「助け合えばできることが増える」ということを実感しながら、思いやりや協力する力、そして自分にしかできない役割への自覚と誇りをもてるようになっていくのです。
②自分の仕事に対して〜できるようにする
自分の仕事に対して工夫しながら役割を果たすことができるようにする
ただ決められた仕事をやるだけでなく、自分なりに考えて、もっとよくできる方法を見つけて実行できるようになることを意味します。
たとえば、掃除当番なら「どうすれば時間内にすみずみまできれいにできるかな?」「先にほこりがたまりやすい場所から始めた方がいいかもしれない」と順番を工夫します。
このように、自分に任された仕事を「どうすればもっとよくできるか?」と考えて、工夫しながら実行することによって、責任感や主体性が育ち、やらされているのではなく、自分でよりよくしようとする気持ちが生まれてきます。

係活動だけでなく、当番活動でも「工夫」することが大切なんだね。

良いことに気づいたね!当番活動は決められた仕事をする場面が多いけれど、「だから工夫してはいけない」と誤解してしまうこともあるんだ。
当番活動と係活動を区別する際に、以下のような捉え方をしてしまうことがあります。
- 当番活動…工夫できない活動、工夫を必要としない活動
- 係活動…工夫できる活動、工夫を必要とする活動
【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説では、当番活動と係活動のいずれにおいても、「工夫しながら役割を果たすこと」の重要性が明確に示されていますので、誤解しないように注意が必要です。

指導の方法
前述した【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説の61ページの続きには、指導の方法が以下のように示されています。
これらの指導は,①学級活動の授業時数を充てない朝や帰りの時間,当番活動を行っている時間などに行うことが中心となるが,学級活動においても適切に取り上げ,計画的に指導する必要がある。②日常の積み重ねを通してキャリア教育の一環として働くことの大切さや意義を理解させていくことは,学級・学校生活の向上に寄与する活動などの充実につながるとともに,公共の精神を養い,望ましい勤労観・職業観,社会性の育成を図ることにもつながる。また,③道徳教育や学校行事の勤労生産・奉仕的行事,総合的な学習の時間などで行うボランティア体験などと関連させて指導したり,地域全体で児童の社会的・職業的自立に向けた基盤づくりができるよう,地域との連携・協働を進めたりすることも大切である。
①〜③について解説します。
①学級活動の授業時数を〜計画的に指導する
学級活動の授業時数を充てない朝や帰りの時間,当番活動を行っている時間などに行うことが中心となるが,学級活動においても適切に取り上げ,計画的に指導する
当番活動は、普段の授業とは別の時間、たとえば朝の会や帰りの会、掃除や給食の時間など、子どもたちが実際に当番の仕事をしている時間に行われることが多いでしょう。
ただし、それだけでなく、先生がきちんと計画を立てて、学級活動の授業の中でも当番活動についてしっかり教えることが大切だということです。
たとえば、「当番の仕事にはどんな意味があるのか?」「どうすればうまくできるか?」といったことを、授業の中で話し合ったり、ふり返ったりする時間をつくって、子どもたちが当番活動をより深く理解できるようにすることが求められています。
②日常の積み重ねを〜社会性の育成を図ること
日常の積み重ねを通してキャリア教育の一環として働くことの大切さや意義を理解させていくことは,学級・学校生活の向上に寄与する活動などの充実につながるとともに,公共の精神を養い,望ましい勤労観・職業観,社会性の育成を図ること
当番活動のような毎日の小さな仕事の積み重ねを通して、子どもたちは「働くことには意味がある」「誰かのために動くことが大切だ」ということを自然と学んでいきます。
これは、キャリア教育の一つとしてとても重要で、「働くこと=大人になってからのお金を得る手段」だけでなく、「社会の中で自分の役割を果たすことの喜びや責任感」を感じられるようにするための教育です。
こうした経験を重ねることで、子どもたちは「自分が頑張れば、学級や学校がもっとよくなるんだ」と感じるようになり、自分のまわりの環境を良くしていこうという意識も育ちます。
また、「みんなのために働くって気持ちいいな!」「いろいろな人と協力してやるって面白いな!」と感じることで、社会で生きていくために必要な公共の精神や、働くことへの前向きな気持ち、そして人と関わる上で大切な社会性も身につけていくことができます。
③道徳教育や〜協働を進めたりすること
道徳教育や学校行事の勤労生産・奉仕的行事,総合的な学習の時間などで行うボランティア体験などと関連させて指導したり,地域全体で児童の社会的・職業的自立に向けた基盤づくりができるよう,地域との連携・協働を進めたりすること
当番活動は、単に学級の中での仕事として終わらせるのではなく、道徳の授業や学校行事、総合的な学習の時間などで行われるさまざまな活動とつながりを持たせながら教えていくことが大切だということです。
たとえば、給食当番や掃除当番の仕事が、学校行事での準備や片付け、体験活動などと自然につながっていくようにすることで、子どもたちは「自分は誰かの役に立っている」「社会の中でもこういう力が必要なんだ」と実感できるようになります。
さらに、学校周辺を掃除するなどのボランティア活動を行ったり、地域での仕事や社会の中での役割について考えたりすることで、子どもたちが将来自立して社会で働くための土台をしっかりつくっていけるようにする意味も含まれています。
指導が必要な当番活動の種類
当番活動の種類については、以下の4種類があります。
前述した【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説の61ページにも、そのことが明記されています。
具体的には,学級全員で分担する清掃や給食,交替しながら行う日直,飼育,栽培等の当番活動や学級活動 (1) での係活動,学校内外でのボランティア活動など,学級,学校や地域のために一生懸命働く活動を取り上げる。
①掃除当番の内容
掃除当番とは、学校内の決められた場所を、きれいに掃除する役割をもつ当番活動のこと。
教室・廊下・トイレ・昇降口など、学校の中には子どもたちが使う多くの場所があり、そこを自分たちの手できれいにすることが掃除当番の目的です。
掃き掃除・拭き掃除・ゴミ集め・雑巾がけなど、具体的な仕事内容は場所によって異なりますが、「毎日少しずつ掃除を積み重ねる」ことが大切です。
先生は、掃除の仕方だけでなく、「どんな気持ちで取り組むか?」「どこまでやればよいか?」「どう声をかけ合えばよいか?」といった面でも丁寧に指導していくことが求められます。

②給食当番の内容
給食当番とは、給食の準備や片付けを行う役割をもつ当番活動のこと。
子どもたちは白衣や帽子などの給食着に着替え、配膳室から教室に食器や食缶を運び、クラス全員分の給食を配ります。
また、給食が終わった後は、食器を回収したり、残食を分別したりと、片付けの仕事もあります。
衛生管理の面でも大切な活動なので、先生が「手洗いの徹底」「落ち着いて配ること」などをしっかりと指導し、必要に応じてサポートすることが重要です。

③日直当番の内容
日直当番とは、学級の1日を支える“リーダー的な役割”を担う当番活動のこと。
朝の会や帰りの会を進行したり、先生やクラスへの連絡事項を伝えたり、チャイムを合図に声かけをしたりするなど、学級全体を動かすサポートをします。
仕事内容は学校によって異なることもありますが、一般的には「朝のあいさつ・健康観察・連絡黒板の記入・日誌の記入・あいさつの号令・帰りのあいさつ」などが含まれます。
発言の仕方や声の大きさ、タイミングなど、最初は難しく感じる子もいますが、先生が声をかけながら少しずつ自信を育てていくことがポイントです。

④一人一役当番の内容
一人一役当番とは、学級の中で「自分だけの特別な役割」をもち、毎日または定期的に責任をもって活動する当番活動のこと。
係活動が「自分たちで考えた楽しい仕事」であるのに対し、一人一役当番は「学級生活を支えるために必要な仕事」を、一人ひとりに必ず割り振るのが特徴です。
たとえば「黒板消し」「チャイム係」「電気係」「時間の声かけ係」「プリント配り」など、学級の中で欠かせない仕事を分担して行います。
先生は「ありがとう」と声をかけたり、「その仕事がどれだけ大切か?」を言葉にして伝えることで、子どものやる気や責任感を育てることができます。


まとめ
今回は当番活動を通して学級を育てるための指導とその考え方について紹介しました。
- 当番活動は、学級の中で子どもたちが責任をもち、みんなのために動くチャンスであること
- ただやらせるのではなく、「なぜこの仕事をするのか?」「どうすればもっとよくなるか?」を一緒に考えることが大切であること
- 子どもたちが工夫しながら役割を果たせるように、教師が支え、励まし、育てていくことが必要であること
当番活動は、掃除・給食・日直・一人一役など、どの学級にもある“毎日の仕事”です。
けれど、その仕事を「どう意味づけるか?」「どう指導するか?」によって、子どもたちの成長は大きく変わってきます。
この記事を読んだことで、「ただの仕事」として見ていた当番活動が、“学級を育てる教育のチャンス”に変わった!と感じていただけたのではないでしょうか?
小さな役割でも、「あなたに任せたい」「ありがとう」と伝えることで、その子の心に火が灯る瞬間が必ずあります。
一人ひとりが輝き、全体が育つ学級経営が実現していきましょう!