【教員必見】当番活動と係活動の違いを説明できますか?

どうも、まっつーです。
学級づくりに取り組む中で、「なんだか子どもたちが進んで動かない…」「係を決めたのに、やってくれない…」とお悩みではないでしょうか?
もしかすると、その原因は、「当番活動」と「係活動」の違いをきちんと理解できていないことにあるかもしれません。
あるいは、そもそも「当番活動と係活動って、どう違うの?」と、疑問を感じている方もいるでしょう。
今回の記事は、当番活動と係活動の明確な違いをわかりやすく丁寧に解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 係と当番のちがいを子どもや保護者にどう説明すればいいか分からない
- 「みんなで平等に」と思って、当番も係も同じように割り当ててしまっている
- 若手の先生に「係活動って当番とどう違うんですか?」と聞かれて困った
- 係と当番の意味が混同してしまっている
この記事を読めば、当番活動と係活動の正しい使い分けができるようになり、子どもたちのやる気を引き出す声かけや関わり方も自然と身につきます。
この記事を書いた人↓

結論:答え
結論から言うと、当番活動と係活動の違いは次のように整理できます。
- 当番活動…「学級の基盤を支える活動(やらなければならない仕事)」
- 係活動は「学級をより楽しくする活動(やりたい仕事)」
それぞれの活動の特徴を見ていくと、その違いがはっきりしてきます。
当番活動の特徴
当番活動は、学級の生活が円滑に進むように、必要な仕事を子どもたち全員で分担する活動です。
例えば、日直当番、給食当番、掃除当番、一人一役当番がこれにあたります。
当番活動の特徴は①〜④の4つあります。
①学級の維持に必要な仕事
学級がスムーズに運営されるために必要な仕事を行います。
もし誰かが担当しなければ、学級生活に支障が出てしまうものです。
②全員が公平に担当する
基本的に輪番制(順番制)で行い、特定の子どもに負担が集中しないようにします。
みんなが公平に役割を担い、学級の一員としての責任を学ぶ機会になります。
③決まったやり方に従って行う
一定のルールや手順が決まっているものが多いです。
例えば、掃除当番では「ほうきで掃く→ぞうきんがけをする→机を整える」といった流れが決められていることが一般的です。
④短期間で交代する
一つの当番を担当する期間は1週間~1か月(一人一役当番は1日交代の場合もある)など、比較的短いです。
交代しながら役割を経験することで、責任感や協力する力を育てることができます。

係活動の特徴
係活動は、子どもたちが学級生活をより楽しく豊かにするために、自分たちで考え、工夫しながら取り組む活動です。
例えば、学級新聞係、誕生日係、レクリエーション係などがあります。
係活動の特徴は①〜⑤の5つあります。
①学級をより良くするための創意工夫
係活動の目的は、学級の雰囲気を明るくしたり、仲間と楽しく過ごせる環境を作ったりすることです。
子どもたちのアイデアや工夫が生かされるようにします。
②児童が主体的に取り組む
係活動は、学級をより良くするために自ら進んで行う仕事です。
そのため、「どんな係を作るか?」「どんな活動をするか?」は、学級会などで話し合いながら決めていきます。
③個人の得意なことを生かせる
係活動では、自分の興味や得意なことを生かして活動することができます。
例えば、絵が得意の子どもは「イラスト係」、文章を書くことが好きな子どもは「新聞係」など、それぞれの個性を発揮する場になります。
④活動内容や方法を工夫できる
係活動では、活動の方法や計画を子どもたち自身が考えて決めることができます。
例えば、「レク係」が「クイズ大会を企画しよう!」と考えたり、「学級新聞係」が「新聞にみんなの一言感想を載せよう!」とアイデアを出したりすることができます。
⑤長期間にわたって継続する
係活動は学期を通して続けることが一般的です。
そのため、計画を立てたり、定期的に振り返ったりすることが求められます。

(まとめ)当番活動と係活動の違い
項目 | 当番活動 | 係活動 |
---|---|---|
目的 | 学級生活を円滑に運営するために必要な仕事をする | 学級生活をより楽しく充実させるために創意工夫する |
活動内容 | 日直当番、給食当番、掃除当番など | 新聞係、誕生日係、レクリエーション係など |
決め方 | 先生が決めたり、事前に決まっていたりする | 学級会などで話し合い、子どもたちで決める |
担当者 | 全員が公平に分担(輪番制) | 子ども自身で選び、好きなことや得意なことを生かす |
活動の進め方 | ルールや手順が決まっている | 自分たちで計画を立て、工夫しながら取り組む |
活動期間 | 1週間~1か月ごとに交代 ※一人一役当番は1日交代の場合もある | 学期で継続するのが一般的 |
当番活動と係活動は、どちらも学級生活に欠かせないものです。
それぞれの活動を一言で表すと、
- 当番活動…「学級の基盤を支える活動(やらなければならない仕事)」
- 係活動は「学級をより楽しくする活動(やりたい仕事)」
とまとめることができるでしょう。

当番活動と係活動を分ける理由
【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説の71ページには、以下のように示されています。
したがって,当番活動と係活動の違いに留意し,教科に関する仕事や教師の仕事の一部を担うような係にならないようにすることが大切である。例えば学級新聞係や誕生日係,レクリエーション係など,学級生活を共に楽しく豊かにするために創意工夫しながら自主的,実践的に取り組むことができる活動を行うようにする。
学級の仕事には当番活動と係活動がありますが、それぞれの役割が混ざらないように区別することが大切です。

どうして、当番活動と係活動を分けなければならないの?

それは、教師の指導の視点が変わるからです。
教師の指導の視点は、①〜③の3つあります。
①指導の目的が異なる
当番活動は、学級全体の生活がスムーズに回るように支えるための、言わば「学級の基盤」を整える役割を担う活動です。
黒板をきれいにする、水やプリントを配る、日直として日々の進行を支えるなど、日常的で必要不可欠な仕事を分担して行うことで、責任感やルールの大切さを学びます。
そのため、全員が公平に役割を分け合い、淡々と責務を果たしていくことが求められます。
これに対して、係活動は「学級をもっと楽しく、もっと豊かにしたい」という思いを出発点に、子どもたち自身がアイデアを出し合いながら創り上げていく活動です。
例えば、新聞係やレクリエーション係など、自分たちの興味や得意なことを生かしながら工夫を凝らし、クラスに笑顔や活気を生み出すことを目的としています。
このように、それぞれの活動がもつ目的や性質が異なるにもかかわらず、同じようなやり方で指導したり、取り組ませたりしてしまうと、やらされ感や不公平感につながってしまうのです。

②子どもたちの育成に関わる部分が異なる
当番活動は、ある程度決まった役割を淡々とこなすことが基本になります。
しかし、係活動では「何をするか」「どうやってやるか」を自分たちで考え、話し合い、実行していくプロセスが重視されます。
つまり、係活動の意義は結果よりも過程にあり、子どもたちが試行錯誤を繰り返しながら、自分たちで学級をより良くしていこうとする「自治的な姿勢」こそが最も大切なのです。
ところが、係活動を当番活動と同じように「割り当てられた仕事」として扱ってしまうと、子どもたちの自由な発想や主体的な意欲がそがれてしまいます。
結果的に「やってもつまらない」「どうせ決まったことをやるだけ」という受け身の態度が生まれ、活動そのものへの関心も次第に薄れてしまうおそれがあります。
③評価やふり返りの視点が異なる
当番活動では、「自分の担当の日にきちんと仕事を果たせたか?」「ミスなく責任を全うできたか?」といった、行動面や継続性に注目してふり返ることが多くなります。
一方で、係活動は「どんなアイデアを出したか?」「クラスにどんな変化や効果をもたらしたか?」といった、子どもたちの創意工夫や実践の質、そして学級への影響に注目する必要があります。
仮にこの視点を混同してしまい、例えば「きちんと毎週同じことをやったかどうか?」だけを基準に係活動を評価してしまえば、アイデアを出して挑戦した子や、仲間と協力して学級に良い変化をもたらした子の努力が見過ごされてしまうことになりかねません。
これは、子どもの学びへのモチベーションを下げてしまう原因にもなります。

まとめ
今回は当番活動と係活動の明確な違いについて紹介しました。
- 当番活動は「やらなければならない仕事」、係活動は「やりたいと思って取り組む仕事」だということ
- 当番は公平に分担、係は子どもの主体性や工夫を大切にすること
- ふり返りや評価の視点も異なり、それぞれに合った関わり方が必要だということ
なんとなく似ているこの2つの活動ですが、目的も意味も指導の仕方も、実はまったく別物です。
当番活動と係活動の違い理解しておくことが、子どもたちのやる気を引き出し、学級をうまく回していくためのカギになります。
ただ割り振るだけの「仕事」ではなく、子どもが意味をもって取り組める「活動」に変えていくことが、先生の大切な役割です。
明日からの学級づくりに、ぜひ今日の学びを活かしていきましょう!