【納得】子どもの遅刻が改善！行動を変える6つの指導法
まっつー
Mattsu
【本質】係活動はなぜ必要？学級で取り組む意味とねらいを解説！
まっつー
どうも、まっつーです。
学級の子どもたちから「どうして係活動をやる必要があるの？」「当番活動だけで十分じゃないの？」と聞かれた際に、自信を持って答えることができるでしょうか？
たしかに係活動は“無くても学級が回る”と思われがちですが、実は子どもたちの力を引き出し、学級全体の成長を促すという大きな役割があるのです。
今回の記事は、子どもたちが学級で係活動に取り組む本質的な意味とねらいをていねいに解説します！
この記事は以下のような人におすすめ！
- 「係活動とは何か？」という本質的な意味を学びたい
- 係活動を行う意図を、子どもたちにどのように説明すればいいか知りたい
- 教育実習生や若手教員に対して、係活動のねらいをわかりやすく伝えたい
この記事を読めば、係活動の意味とねらいが明確になり、子どもたちの「どうして係活動をやらなきゃいけないの？」という疑問に正面から向き合いながら、指導にも生かすことができるようになります。
この記事を書いた人↓
Contents
係活動って何？
そもそも係活動の意味って何なの？
「係活動って何ですか？」と先生に質問すると、人によって少しずつ違う答えが返ってくることがあります。
言っている内容の根本は同じでも、使う言葉や説明の仕方に違いがあるため、疑問に思うのも当然のことです。
せっかくなので、係活動の正しい意味としてふさわしい文言を確認してみましょう。
国立教育政策研究所が発行している「文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター 特別活動 小学校編（平成30年7月）」の11ページには、係活動の意味が次のように示されています。
係活動
①学級生活を共に楽しく豊かにするために②児童が仕事を見いだし，③創意工夫して④自主的，実践的に取り組む活動
①〜④について解説します。
①学級生活を共に楽しく豊かにするため＝ねらい
後述しますが、【特別活動編】小学校学習指導要領（平成29年告示）解説でも示されている「係活動のねらい」に当たる部分です。
「学級生活」とは、授業はもちろん、休み時間、掃除、給食、行事など、学校の中で学級の仲間と一緒に過ごすあらゆる時間のことです。
また、「楽しく豊かにする」とは、ただ「にぎやかにする」や「遊びを増やす」だけではありません。
つまり、一人ひとりのアイデアや行動が、学級のみんなの心を明るくし、居心地のよい学級になるようにするという意味です。
②児童が仕事を見いだす
係活動では、先生から「これをやってね」「あれをやりなさい」と決まった仕事を与えられるのではなく、子どもたちが自分で必要な仕事ややりたい活動を考え、係として形にしていくことが大切です。
たとえば、「教室の雰囲気がもっと明るくなるように壁に飾りをつけたい」と思った子が「飾り係」を作ったり、「友達の誕生日をお祝いしたい」と考えた子が「誕生日係」を提案したりすることもあります。
つまり、子どもたちが自分の目で学級を見て、「こうしたらもっとよくなる」という視点で行動を起こすことが、「仕事を見いだす」ということなのです。
③創意工夫
「創意工夫」とは、アイデアを考えたり、提案したりして、もっとよくなるように工夫することです。
決まったやり方をただやるだけでなく、「こうすればもっと楽しくなるかも」「こんな方法ならうまくいきそう」と、やり方を変えたり、新しいことを取り入れたりすることを意味します。
たとえば、「新聞係」が新聞を作るときに、「ただ出来事をまとめるだけ」ではなく、「イラストを入れたらもっと読みやすくなるかな？」「クラスの人気ランキングをのせたら楽しいかも！？」と、自分たちで新しいアイデアを出して活動を工夫していくことが創意工夫です。
④自主的、実践的に取り組む
先生に言われたから仕方なしにやるのではなく、子どもたちが「自分でこうしたい」「このクラスをもっと楽しくしたい」と思って、自分から進んで動き出すことが「自主的に取り組む」ということです。
また、ただ「こうしたいなぁ」「やってみたいなぁ」と頭で思い浮かべるだけではなく、自分たちで計画を立てて、準備して、実際に活動する。
そして、失敗したら反省して、もっとよくするためにやり方を変える。
このように行動をくり返していくことが、「実践的に取り組む」ということです。
子どもたちから「係活動って何なの？」と質問されたら、どう答えればいいの？
国立教育政策研究所の資料で示された文言は大人向けの表現であり、学級の子どもたちには伝わりにくいでしょう。
私なら次のように説明をします。
係活動とは、このクラスでの生活をもっと楽しく、もっと過ごしやすくするために、自分のやりたい仕事を学級会で話し合って決め、どうしたらうまくできるかを工夫しながら、自分から進んで行う活動のことです。
係活動の意味をさらに深堀りするために、次は小学校学習指導要領やその解説（特別活動）の内容を見ていきましょう。
小学校学習指導要領における「係活動」
小学校学習指導要領（平成29年告示）の「第6章 特別活動」の184ページには、係活動について次のように示されています。
イ 社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解
清掃などの当番活動や係活動等の①自己の役割を自覚して②協働することの意義を理解し，③社会の一員として役割を果たすために必要となることについて主体的に考えて行動すること。
①〜③について解説します。
①自己の役割を自覚
自分の係の仕事が学級全体にどのように役立っているのかを理解し、責任をもって取り組む姿勢を身につけることが求められます。
たとえば、掲示係なら「学級の雰囲気を明るくする」、レクリエーション係なら「みんなが楽しく交流できる場を作る」など、自分の係の役割を果たすことで、学級全体がより良くなることを実感することが重要です。
こうした実感をもてるようになると、子どもたちは「自分の仕事がみんなのためになっている」と感じ、自己有用感や社会の一員としての自覚が育まれます。
②協働することの意義を理解
自分一人では難しい係の仕事も、学級の仲間と協力することでより良い形にできることを学ぶ機会にもなります。
活動の中では、「どうすればもっとよくなるかな？」「この仕事はどちらがやるといいかな？」といった問いに対して、お互いの意見を出し合ったり、役割分担を工夫したりする場面がたくさんあります。
このような活動を通して、協働する意義を実感として理解することにつながります。
③社会の一員として役割を果たすために必要となることについて主体的に考えて行動する
社会では、多くの人がそれぞれの役割を担い、お互いに支え合うことで成り立っています。
同じように、学級においても、係活動を通して「何をすれば学級がもっと快適になるか？」「仲間とどのように協力すればよいか？」を自ら考え、行動することが大切です。
また、決められたことをこなすのではなく、「もっと工夫できることはないか？」「改善できる点はないか？」と考え、積極的に提案し、行動していく姿勢も求められます。
このような経験を通じて、社会の中で自分の役割を果たし、周囲と協力しながら主体的に考え行動する力を身につけることにつながります。
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【特別活動編】小学校学習指導要領解説における「係活動」
【特別活動編】小学校学習指導要領（平成29年告示）解説の71ページには、係活動のねらいについて以下のように示されています。
係活動は，学級の児童が学級内の仕事を分担処理し，児童の力で学級生活を楽しく豊かにすることをねらいとしている。（後略）
学級の中にはいろいろな「やるといいこと」「あると楽しくなること」があります。
教室の壁に飾りをつけたり、みんなが楽しめるクイズを出したり、イベントの準備をしたりするなど、さまざまなアイデアを思いつくことができます。
こうした活動を「やりたい人」や「好きな人」「得意な人」が集まって、それぞれの係として分かれて担当し、アイデアを実現する活動が「係活動」です。
そして、子どもたちが「毎日が楽しみになる」「安心して過ごせる」ような、あたたかくて豊かな学級生活をつくっていくことが、係活動のねらいになります。
係活動＝子ども一人ひとりが“学級づくりの主役”になる場
子どもたちから「何のために係活動をするの？」と質問されたら、どう答えればいいの？
係活動のねらいを子どもに伝わるように言い換えて…
「みんなでクラスの仕事を分け合って、自分たちの力でクラスの生活を楽しくて豊かにするためだよ」と答えるようにしましょう。
「楽しい」っていうのはわかるけど、「豊かにする」ってどいう意味かな？
学級生活を「豊かにする」とは？
学級生活を「楽しくする」というのはイメージしやすいかもしれませんが、「豊かにする」と言われると、少しわかりにくく感じる子もいるかもしれません。
もし子どもたちから「学級生活を豊かにするって、どういうこと？」と聞かれたり、疑問を持っている様子が見られたりしたら、次の4つを伝えてみましょう。
- 心が満たされる毎日があること
- 友達との関わりを通して成長できること
- 自分のよさを発揮できること
- 学ぶことに前向きになれること
心が満たされる毎日があること
友達と笑い合えたり、自分の居場所があると感じられたり、「また明日も学校に来たいな」と思える気持ちです。
そうした一つひとつの経験が、子どもたちの心をあたたかくし、学級生活を豊かにする土台となります。
友達との関わりを通して成長できること
友達と協力したり、思いやりや助け合いを体験したりする中で、子どもたちは人とのつながりの大切さを学んでいきます。
係活動を通して、「自分の働きがみんなの役に立っている」と感じられることは、学級の一員としての自覚や責任感を育ててくれます。
ただ「仲がよい」だけでなく、共に生き、共に学ぶ経験が学級の深い絆を生み出すのです。
自分のよさを発揮できること
やりたいことや好きなこと、得意なことを活かして、みんなの前で活躍したり、挑戦できたりすることで、自分の可能性を広げることができます。
また、周りの友達や先生がその頑張りや成長に気づき、認めてくれることもまた、大きな力になります。
「できた」「任された」「ありがとう」といった言葉が自然に飛び交う学級には、互いのよさを認め合う雰囲気が根づいていきます。
学ぶことに前向きになれること
係活動で「わかった！」「できた！」と感じる喜びや、友達と一緒に考え合う楽しさ、自分の学びが誰かの役に立っていると感じられる経験は、子どもたちの学ぶ意欲を育ててくれます。
こうした経験を通して、「学ぶって面白い」「知るって楽しい」という気持ちが芽生え、学ぶことと生きることが自然につながっていくのです。
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まとめ
今回は、子どもたちが学級で係活動に取り組む本質的な意味とねらいについて紹介しました。
３つのポイント
- 係活動は、子どもたちが自分たちの学級をもっと楽しく、もっと居心地よくするために、自分で仕事を見つけて取り組む活動であること
- 先生に言われたからやるのではなく、「自分がやりたい！」「こうしたらもっとよくなる！」という思いをもとに、自分から工夫して動くことが大切であること
- みんなで力を合わせて活動することで、仲間の大切さや、社会の中で自分が役に立っているという実感をもてるようになること
この記事を読んだことで、子どもたちに「係活動ってなんでやるの？」「どんな意味があるの？」と聞かれても、自信をもって説明できるようになったと思います。
また、係活動の意味やねらいを正しく理解していると、日々の指導にも大きく生かすことができるでしょう。
先生が全部を決めるのではなく、子どもたち自身が主役になって動くことが、楽しくて心が通い合う学級づくりの土台になります。
今日から、子どもたちと一緒に係活動の質を高めていきましょう！
