【実録】忘れ物を減らす指導法10選!持ち物の準備ができる子に成長

どうも、まっつーです。
学級で子どもたちと接している中で、「また忘れ物…」「どうして毎日のように忘れるの?」と思い悩み、ため息をついたことはありませんか?
「ちゃんと連絡帳に書いているのに…」「前日に声かけしているのに…」それでも持ってこないと、忘れ物が多い子に悩んでいるかもしれません。
でも、忘れ物をする子どもには、それぞれ理由があります。
家庭で準備をする習慣がまだない・準備の見通しがもてない・言われたことをすぐに忘れてしまうなど、大人から見れば“当たり前”のことも、子どもにとってはまだまだ“練習中”なのです。
今回の記事は、そんな子どもたちの実態をふまえたうえで、忘れ物をする原因を探り、防止するための具体的な指導法10選や仕組みづくりをわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 毎日のように忘れ物をする子に、どう関わればいいかわからない
- 忘れ物を減らすために、具体的な仕組みや方法を知りたい
- 子どもたちに持ち物を準備する習慣を身につけさせたい
- 「また忘れたの!?」と厳しく叱責してしまい、後で反省している
この記事を読めば、「もう忘れたの?」ではなく「次はこうすれば大丈夫!」と前向きな指導ができるようになります。
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忘れ物があった場合の影響
忘れ物をすると、単に「持ち物がない」「道具を忘れた」という事実だけで終わりません。
その影響は、子どもの学習面や精神面など、さまざまなところに広がっていきます。
ここでは、忘れ物をしたときに子どもにどんな影響があるのかを、5つの視点で詳しく説明していきます。
- 授業への参加が十分にできなくなる。
- 自信を失ってしまう。
- 周囲との信頼関係に影響が出る。
- 特別な体験のチャンスを逃してしまう。
- 習慣として身につくと、将来にも影響する。
授業への参加が十分にできなくなる
忘れ物をすると、まず大きな影響が出るのは授業への参加です。
たとえば、ノートや筆記用具などを忘れてしまった子どもは、気持ちの切り替えができずに、どこか落ち着かないまま時間が過ぎてしまうことがあります。
貸出用の道具があっても、慣れていないために使いづらさを感じたり、これまでに書いたノートとつながりがなくなってしまったりと、不便が生じます。
授業中、「あ、忘れた…」と気づいたとき、子どもの表情がふっと曇る瞬間を、私は何度も見てきました。子どもの心は授業から離れて、意欲を下がってしまうのです。
自信を失ってしまう
忘れ物が続くと、子どもは「またやってしまった…」という思いにとらわれ、少しずつ自信を失っていきます。
特に几帳面で真面目な性格の子どもほど、「また注意されるかもしれない」「周りの人に迷惑をかけてしまった」と、必要以上に自分を責めてしまうことがあります。
さらに、まわりの友達がきちんと準備をしている様子を見ると、「自分だけできていない」「自分はダメなんだ」と感じてしまい、自分の存在価値まで下げてしまうこともあります。
「どうせまた忘れる」「できっこない」というように思い込むようになると、子どもは次第に自分から行動することを避けるようになるのです。
周囲との信頼関係に影響が出る
忘れ物が多いと、周囲の人間関係にも影響が出てきます。
たとえば、同じ班の友達から「また○○くん、忘れてるよ」と言われたり、グループ活動で「○○さんには任せられないな」と感じられてしまうこともあります。
これは、「困ったことがあったら助け合う」関係性を築きにくくしてしまう原因になります。
最初は「また忘れた?でも、次こそはね」と声をかけていても、忘れ物が繰り返されると、次第に「またか…」という印象を持ってしまうことになるでしょう。
特別な体験のチャンスを逃してしまう
忘れ物によって、その日しかできない体験を逃してしまうこともあります。
たとえば、水泳の授業で水着や水泳帽を忘れてしまった場合、衛生面の理由から貸出はできず、見学になることがほとんどです。
「自分もやりたかったのに…」という思いが残り、その日の体験が“悔しい思い出”に変わってしまうのです。
これは、学習意欲や学校生活への前向きな気持ちに冷や水を浴びせるような出来事になってしまいます。
習慣として身につくと、将来にも影響する
もっと長い目で見れば、忘れ物の多さは将来の生活力や仕事の質にもつながっていきます。
「忘れても誰かが助けてくれる」「あとでなんとかなる」という考え方が身についてしまうと、大きな代償を払うことにもなりかねません。
こういったミスは、社会に出てからは「ただの失敗」では済まないこともあります。
なぜ子どもは忘れ物をしてしまうのか?
「また忘れ物?」「昨日も注意したよね」と言いたくなってしまう場面に遭遇したことは、先生や保護者であれば一度や二度ではないかもしれません。
しかし、子どもが忘れ物をする理由は、単に“だらしないから”だけではありません。
そこには子どもならではの発達や性格、生活環境など、いくつもの要因が絡み合っているのです。
ここでは、子どもが忘れ物をしてしまう原因の6つをわかりやすく説明していきます。
- 脳の発達段階によるもの。
- 自分で準備をする経験が少ない。
- 保護者の関わりが少ない。
- 不安やストレス、注意力の散漫。
- 予定の見通しを立てる力が弱い。
- 忘れ物が多くて注意されすぎている。
①脳の発達段階によるもの
大人は、頭の中で「やることリスト」を整理しながら行動できますが、子どもはまだこの力が未発達です。
特に小学校低学年のうちは、「ランドセルに教科書を入れる」「明日の準備をする」といった、段取りを頭の中で整理して覚えておく力(ワーキングメモリ)がまだ育っていません。
たとえば、帰りの会で「明日は図工があります。絵の具セットを忘れずに」と聞いても、帰る途中や家に着くころにはすっかり抜けてしまっているということがよくあります。
このように、個人差はありますが、脳の発達段階として忘れ物が多いのはある意味“自然なこと”でもあるのです。
②自分で準備をする経験が少ない
家庭で保護者が先回りして準備してしまうと、子どもは「準備されるのが当たり前」「いつも用意してもらえる」という感覚になってしまいます。
その結果、自分で明日の持ち物を確認する習慣が育たず、生活の中の“自立するチャンス”が少なくなってしまうのです。
持ち物の準備がうまくできないときは、保護者と一緒に準備をすることも大切です。
しかし、子どもが自分で考えて行動するのではなく、常に保護者に言われた通りに動いているだけでは、準備の力はなかなか育ちません。

忘れ物をした時に、つい「お母さんが用意してくれなかったから」と言い訳してしまうことがあるよ。

たとえお家の人が持ち物を用意してくれたとしても、最終的には自分自身の目で確認することが必要だね。
③保護者の関わりが少ない
学校の持ち物については、保護者に記入してもらう書類や、購入をお願いする教材など、家庭での協力が欠かせません。
しかし、共働き家庭やひとり親、幼い兄弟いる家庭では、日々の生活が忙しく、保護者が子どもの持ち物にまで手が回らないことがあります。
そのような状況では、子どもの忘れ物が多くなる傾向があります。
また、保護者の関わりがほとんど見られない「ネグレクト」の場合は、より深刻な問題です。
ネグレクトとは、子どもの世話を意図的に怠ることで、児童虐待の一種とされています。具体的には、食事を与えない、清潔な環境を整えない、病気やけがをしても病院に連れて行かないなどの行為が含まれます。
このような背景がある場合、忘れ物は単なる不注意ではなく、家庭環境そのものに課題がある可能性もあります。
④不安やストレス、注意力の散漫
時間に追われたり、家庭内で何かトラブルがあったりすると、子どもは気持ちが落ち着かず、ストレスが増えたり、注意が散漫になったりします。
すると、いつもなら当たり前のように準備できていたことが、うっかり抜け落ちてしまうのです。
また、友達関係や学習への不安を抱えている子は、心がいっぱいで、準備に意識が向きません。
このように、心の状態も忘れ物の原因に大きく関係していることを、見落としてはいけません。
⑤予定の見通しを立てる力が弱い
「明日は図工だから絵の具がいる」「体育があるから体育着を手さげ袋に入れる」といった、“未来に必要なものを逆算して準備する力”は、学年が上がるにつれて少しずつ身についていきます。
しかし、その力が育っていないと、今日用意するものだけで満足してしまい、明日あるいは明後日の準備にまで意識が向かないことが多いのです。
特に学習に課題がある子どもは、時間の流れを見通すことが苦手な傾向があります。
⑥忘れ物が多くて注意されすぎている
「どうして忘れたの!」「何回言えばいいの!」と叱られ続けてしまうと、子どもは忘れ物を隠すようになったり、準備そのものに苦手意識を持ってしまうことがあります。
たとえば、家に持ち物を置き忘れてきたにも関わらず、「学校に持ってきたのに無くなってしまいました」「誰かに取られたかもしれない」という嘘をつくこともあり得ます。
また、「自分は持ち物の準備ができないから、お母さんが全部やってよ」と、準備をすべて保護者に丸投げしてしまうことも考えられます。
こうなると、忘れ物が減るどころか、準備すること自体が“怖いこと・苦しいこと・逃れたいこと”になってしまうのです。
忘れ物を防ぐ10の指導法
学年が上がるにつれて提出物や持ち物の種類も増え、自分で管理する力がますます必要になります。
だからこそ、忘れ物を予防するための「指導」や「仕組み作り」がとても大切になってくるのです。
ここでは、子どもたちが自分の持ち物に責任をもって準備できるようになるための、実践的な指導法を10個ご紹介します。
- 連絡帳や学習予定表を活用する。
- プリント類は全て連絡袋に入れる。
- 予告と見通しを持たせる。
- 準備する時間と場所をルール化する。
- 保護者と連携して取り組む。
- 忘れ物をしない子の工夫を共有する。
- 子どもの行動を観察して改善につなげる。
- ICTツールを活用する。
- 忘れ物の防止策を一緒に考える。
- 日々の努力を認めて褒める。
①連絡帳や学習予定表を活用する
子どもが自分で準備をするためには、「何を用意すればよいか」が目に見えてわかる仕組みが欠かせません。そこで有効なのが「連絡帳」の活用です。
先生が黒板やホワイトボードに「明日の持ち物」などを分かりやすく書き、それを子どもたちが自分の連絡帳に丁寧に書き写すよう指導します。
書き終えたら、内容が正確かどうかを確認し、正しく書けていればハンコを押す、間違いや抜けがあればその場で修正を促すといった丁寧な対応を行います。
子どもたちは、家に帰ったあとに、この連絡帳を見ながら翌日の持ち物を自分で準備する習慣を身につけていきます。
また、入学したばかりの一年生の場合は、自分で連絡帳に記入することが難しいことがあります。
そのため、学級や学年で「学習予定表」を作成し、一週間分の授業内容や必要な持ち物をまとめて配布することが効果的です。
この予定表をもとに、子どもは保護者と一緒に確認しながら準備を進めることができるため、忘れ物の防止にもつながります。
②プリント類は全て連絡袋に入れる
学校では、授業で使用する問題用紙だけでなく、保護者向けのお便りや個人情報を含む重要書類、アンケート用紙、ワークテストなど、さまざまなプリントを配布します。
こうしたプリントを、子どもたちがそのまま机の中に入れてしまうと、中でぐちゃぐちゃになったり、持ち帰るのを忘れてしまったりする可能性があります。
そこで有効なのが「連絡袋」の活用です。連絡袋を使えば、プリントをきれいに整理して持ち帰ることができ、子どもはそのまま保護者に渡すだけで済みます。
先生が丸つけを終えたプリントや配布物は、できるだけすぐに連絡袋へ入れるよう促し、子どもたちに習慣づけていくことが大切です。
③予告と見通しを持たせる
忘れ物を防ぐためには、前もって知らせること(予告)と、どうすればいいか考えること(見通し)がセットになった指導が重要です。
たとえば、帰りの会で「明日は図工があるので、絵の具セットを持ってきましょう」と伝えるだけではなく、「家に帰ったらどこにあるか見ておこうね」「絵の具をすぐに持っていけるように手さげ袋に入れよう」と具体的な行動に結びつける言葉を添えることで、子どもの意識が高まります。
また、急を要するものでない限り、持ち物の準備を前日に促すのではなく、1週間前など余裕をもって伝えておきましょう。
早めに知らせておくことで、必要なものを購入したり、家の中で探したりする時間が確保でき、計画的に準備することができます。
さらに、事前に準備が整えば、前日や当日に慌てることなく、安心して登校できるようになります。
④準備する時間と場所をルール化する
子どもが持ち物の準備を習慣化するには、時間と場所(環境)をあらかじめ決めて「ルール化」することが効果的です。
日々の生活の中に、「持ち物を準備する時間」と「準備をする場所」が組み込まれていれば、自然と身についていきます。
このように、「いつ」「どこで」準備するのかを毎日同じにすることで、忘れ物の防止につながるだけでなく、子ども自身の生活習慣の安定にもつながります。
⑤保護者と連携して取り組む
忘れ物を防ぐためには、学校だけでなく、家庭との協力体制も欠かせません。
特に低学年や生活習慣が安定していない子どもにとっては、家庭での声かけや準備サポートが大きな支えになります。
学校からは、連絡帳の使用をお願いしたり、学習予定表を配布したりして、保護者が無理なく関われる情報提供をしておくとよいでしょう。
また、保護者会や個人面談などで、「忘れ物が多い子への関わり方」や「準備の習慣づけ」について共有する機会を設けると、家庭でも意識的に声かけができるようになります。
⑥忘れ物をしない子の工夫を共有する
忘れ物をくり返してしまう子どもの中には、「どうして他の子はちゃんと忘れずに持ってこられるのだろう?」と疑問を抱いていることがあります。
そんなときこそ、忘れ物が少ない子の工夫や習慣を、学級全体で共有することが大切です。
先生が「みんなは、忘れ物をしないようにどんな工夫をしている?」と問いかけて、子どもたちの実践を引き出してみましょう。
こうしたアイデアを子どもたち同士で出し合うことで、「自分にもできそう」「真似してみたい」と考え実行する子が増えてきます。
⑦子どもの行動を観察して改善につなげる
忘れ物を減らすために、子どもの日常の行動をよく観察し、原因を分析し、それに合った改善策を具体的に提案することです。
忘れ物には必ず理由があります。子ども自身も「わざと忘れよう」と思っているわけではありません。どこでつまずいているのかを見つけ出し、丁寧に手を差し伸べることが、先生としての大切な役割です。
このように、子どもの行動に合わせた具体的な支援を積み重ねることが、忘れ物を減らす第一歩です。
⑧ICTツールを活用する
学校では連絡帳だけでなく、メール配信や保護者向けアプリなどが導入されるようになり、連絡手段が多様化しています。
さらに、一人一台端末が配布されるようになったことで、子ども自身がオンライン掲示板などを通じて連絡事項を確認することも可能になりました。
スマホやタブレットを見ながら、「明日は〇〇を持っていく必要があるよ」と家庭内での会話が自然と生まれたり、見落としていた持ち物の情報に気づけたりするようになります。
これらのICTツールを活用することで、子どもと保護者の間で持ち物や連絡内容を相互に確認しやすくなり、忘れ物の予防にもつながります。
⑨忘れ物の防止策を一緒に考える
忘れ物をしたときに、強く怒鳴ったり、恥をかかせたりすることは逆効果です。
特に、自己肯定感が低い子や、不安の強い子にとっては、「またダメだった」「どうせ無理」と感じてしまいます。
重要なのは、「どうすれば次に忘れずに済むか?」を一緒に考えることです。
「次はどうしたら準備できるかな?」「忘れ物をしないようにするための工夫を考えられる?」と優しく問いかけることで、自分の行動をふり返る習慣が身につきます。
また、次に忘れなかったときにはしっかりと褒めることが大切です。
「今日はちゃんと持ってこられたね!よく頑張ったね」と声をかけることで、「努力すればできるんだ」と前向きな気持ちが育ちます。
⑩日々の努力を認めて褒める
子どもが必要な持ち物を自分で用意して、期限までにしっかり学校に持ってくるという行動は、実はとても価値のある習慣です。
大人にとっては当たり前のように見えるかもしれませんが、子どもにとっては「段取り力」「責任感」「見通しをもった行動」など、たくさんの力を必要とする行動なのです。
そのため、「できて当たり前」ではなく、できたことを丁寧に認め、ほめる姿勢が大切です。
日々のちょっとした一言が、子どもたちの成長を支える大きな力になります。
子どもが忘れ物をしたときの対応
いくらさまざまな対策を講じても、学級において「忘れ物をゼロ」にすることは現実的には難しいものです。
それは子どもに限らず、大人でも同じように忘れ物をしてしまうことがあるからです。
実際に、2025年3月3日に警視庁が発表した「遺失物(落とし忘れた物)の拾得届の受理状況」にると、令和6年の1年間で届け出があった件数は4404325件になっています。
この数字からも、忘れ物や落とし物がどれほど多くの人にとって身近な問題かがわかります。
だからこそ、「忘れないように気をつける」だけでなく、万が一忘れてしまったときにどうすればよいのかという「報告や対応の手順」を子どもに教えておくことが重要です。
連絡帳に書いて報告する
忘れ物に気づいたら、その時点で連絡帳に赤鉛筆で忘れた持ち物の名前を書き、先生に渡します。
たとえば、連絡帳に赤鉛筆で「習字道具」と記入し、先生のところへ行って「習字道具を忘れてしまいました」と自分の言葉で伝えるのです。
このように、自分のミスを正直に認めて報告する姿勢を身につけることは、子どもの責任感や誠実さを育む上でとても大切です。
どうするか連絡する
忘れ物をしてしまった事実は、もう変えることはできません。 しかし、それによって授業や活動に参加しないという選択は望ましくありません。必要なのは、忘れてしまった後にどう行動するかです。
子ども自身が自分の状況を把握し、「どうすれば今できることに取り組めるか」を考え、自分の言葉で伝える習慣を身につけさせます。
忘れ物を「叱るべきミス」ではなく、「考えて行動するきっかけ」としてとらえることで、子どもたちの成長を支えることができます。
持ってきたら報告する
前日に忘れてしまった持ち物を、きちんと用意して学校に持ってきたときには、必ず報告をさせましょう。
これは、子どもの行動を認めて褒める絶好の機会になります。努力や改善をきちんと評価することで、子どもは「自分でやり直せた」「次はもっと気をつけよう」と前向きな気持ちになれます。
こうしたポジティブなフィードバックは、子どもの自信と意欲を高め、忘れ物防止にもつながります。
貸出ボックスやコーナーの設置
子どもが忘れ物をしたときの対応策として、教室内に「貸出ボックス」や「貸出コーナー」を設けておくことをおすすめします。
貸出ボックスには、鉛筆、赤鉛筆、青鉛筆、消しゴム、のり、三角定規、分度器、コンパス、ハサミなど、筆記用具や道具箱に含まれる基本的な文房具を用意しておきましょう。
一方で、絵の具セットや習字道具などの比較的大きな教材については、「貸出コーナー」として空いているロッカーや棚などを活用し、子どもたちが見つけやすく、管理しやすい場所に整えておきます。
貸出するすべての物には、「○○先生」などと大きく明記し、他の子どもの持ち物と混ざらないように配慮します。
まとめ
今回は忘れ物をする原因を探り、防止するための具体的な指導法10選や仕組みづくりについて紹介しました。
- 忘れ物の背景には、単なる不注意ではなく、準備の習慣や家庭の環境、自己肯定感の低さなど、さまざまな要因があるということ
- 「どうして持ってこなかったの?」と責めるよりも、「どうすれば忘れずに準備できるかな?」と一緒に考える姿勢が大切であること
- 忘れ物を防ぐには、声かけや工夫だけでなく、仕組みや環境を整えることが効果的であるということ
この記事を読んだことで、忘れ物に悩む子どもへの対応を“叱る”から“支える”へとシフトし、先生としてできる具体的な関わり方や指導の視点を整理することができたのではないでしょうか。
忘れ物は、子ども自身にとってもストレスであり、自信を失うきっかけにもなりかねません。
「また忘れたの!?」ではなく、「どうやって持ち物の準備をしようか?」と考えることを促したり、「持ってこられたね。すごいね!」とできたことを認めたりすることの積み重ねが、子どもを変えていきます。
忘れ物をただ「減らす」ためだけでなく、「自分で準備できた!」という達成感を育てるチャンスとして、ぜひ今回の記事を実践に活かしていきましょう。