【学校の雑学⑤】なぜ理科室の机やカーテンが黒なのか?蛇口にホースがあるのか?

どうも、まっつーです。
理科室に入ったとき、「なんで机が黒いんだろう?」「カーテンが真っ黒なのはなぜ?」「蛇口にホースがついてるのは意味があるの?」と思ったことはありませんか?
実はこれらすべてに、明確な理由と教育的な意味があるんです!
理科室は、普通教室とはちがい、火を使ったり薬品を扱ったりする“特別な学習空間”。そのぶん、安全面や観察のしやすさに関する工夫が、あちこちにちりばめられているのです。
今回の記事は、理科室にある3つの特徴的なポイントである黒い机・黒いカーテン・蛇口に取りつけられたホースが「なぜそうなっているのか?」をわかりやすく解説します!
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理科室の机が黒い理由

理科室の机の表面、つまり「天板」は、多くの学校で黒くなっています。
これは見た目のデザインではなく、「実験で使う薬品を見えやすくするため」の工夫なんです。
理科では、白い粉末や透明な液体を使うことがよくあります。
たとえば、食塩や砂糖のような白い結晶、無色透明の水やエタノール、塩酸などです。
もしこれらを机にこぼしてしまったら、白い机では気づきにくく、思わぬ事故につながる可能性があります。
でも、黒い天板であれば、白い粉や透明な液体がすぐに目立つため、発見しやすく、安全に対応できます。
また、理科室の机は耐薬品性や耐熱性にも優れており、アルコールランプや薬品を扱う際にも丈夫な素材が使われています。
まさに「実験のための特別な机」なのです。

白色やグレーの実験台も登場していますが、見やすさ・安全性を重視する学校では、今もなお黒色の天板が支持されています。
理科室のカーテンが黒い理由

教室のカーテンは白色や薄いオレンジ色、薄い緑色などさわかやかな印象のカラーですが、理科室には真っ黒なカーテンがあります。
これは“遮光カーテン”といって、99.8%以上の光を遮る特殊なカーテンなのです。
その理由のひとつは、顕微鏡の観察です。
顕微鏡でプレパラートを観察する際には、反射鏡を使って光を調節する必要があります。
ところが、部屋に直射日光が差し込んでいると、鏡が反射して強すぎる光が目に入り、観察がしにくくなったり、目を傷めてしまう危険もあるのです。
また、理科では光の屈折・反射の実験や、天体観察など光をコントロールする必要がある場面が多くあります。
光を完全に遮ることで、実験の精度が格段に高まるのです。
さらに、火を使う実験も多いため、防炎機能のある安全なカーテンが使われていることも見逃せません。
理科室の蛇口にホースがついている理由

理科室の水道を見ると、蛇口が高い位置についていて、そこに細くて透明なホースがついていることが多いです。

透明なホースが使われているのは、中を流れる水が目で見て確認できるからだよ。
実は、この透明なホースには理科の学習と安全の両方を支える、とても大切な役割が3つあるのです。
水が飛び散らないようにするため
理科では、ビーカー・試験管・メスシリンダーなど、たくさんのガラス器具やプラスチック容器を使います。
その器具を授業の最後に洗うとき、蛇口が高いと水が勢いよくシンクに跳ね返り、周りがびしょびしょになってしまうことがあります。
特に器具の口が小さいと、水の流れが一部だけに集中してしまい、水が外にはねたり、服が濡れたり、水溶液がこぼれたりと、予期せぬトラブルが起こります。
そこで活躍するのが、ホースの先から水を出す方法です。
ホースの先端を器具に近づけてゆっくり水を出せば、水流をコントロールしながら安全に洗うことができます。

ホースの長さを20cm程度にすることで、水はねを防ぐことができます。
すぐに洗い流すことができるため
理科の実験では、水だけでなくうすい塩酸やアンモニア水など、薬品を使うこともあります。
万が一、それらが子どもの手や腕に触れてしまった場合、すぐに水で洗い流すことが大切が、普通の蛇口ではうまく洗いにくかったり、器具が邪魔で水が届かなかったりしますよ。
その点、ホースがあれば、水を直接、自由な角度からかけることができるので、すばやい対応が可能です。
こぼさず注ぎやすくなるため
理科の実験では、容器の口が小さかったり、形が複雑だったりする器具に水を注ぐことがあります。
例えば、試験管のような細長い器具に水を入れるのは、そのままの蛇口ではなかなか難しいものです。
しかし、ホースを使えば、水の向きを自由に変えられるので、曲がった容器の奥や、細い管の中にも、ピンポイントで水を入れることができます。
特に、4年生の「温度と体積」や6年生の「水溶液の性質」などの実験では、水を“正確に入れる”ことが学習のポイントになるため、このホースの存在はとても重要です。
まとめ
今回は理科室にある3つの特徴的なポイントである黒い机・黒いカーテン・蛇口に取りつけられたホースが「なぜそうなっているのか?」について紹介しました。
- 黒い机(天板)は、白い粉や透明な液体などをこぼしてもすぐに見つけやすく、安全に実験できるようにするための工夫であること
- 黒い遮光カーテンは、顕微鏡観察や光の実験、天体観察などで余計な光をさえぎり、正確な観察や測定を行うために取り付けられていること
- 蛇口のホースは、器具を洗うときの水はね防止や、薬品が手についたときの迅速な洗浄、細い容器への水の注入などに活用できるためのものであること
この記事を読んだことで、「ただの黒い机」「なんとなく暗いカーテン」「ついてるだけのホース」だった理科室の設備が、すべて“子どもたちの安全と学びを支える”ために考えられていることが理解できたのではないでしょうか。
理科室は、子どもたちが好奇心をのびのびと発揮しながら、科学の力にふれることができる特別な場所です。
だからこそ、安全と観察しやすさを両立させる環境づくりが大前提になります。
ぜひ今回の記事をふまえて、子どもたち「理科室の環境にはこんな理由があるんだよ」とわかりやすく伝えていただけると嬉しいです。