【提案】運動会を縮小化する10の方法!熱中症対策10選にも効果あり

どうも、まっつーです。
近年の異常な暑さの中で、「昔ながらの運動会のスタイルはもう限界かも…」と感じていませんか?
「どうにかして熱中症のリスクを減らしたい」「運動会を最後まで無事に終えたい」と、悩みながら準備や練習を進めている学校も多いかもしれません。
実際、運動会の当日は、朝から校庭に強い日差しが照りつけ、子どもたちも先生たちも、そして保護者も、体力との戦いです。
昔は「暑さに負けるな!」と根性論で乗り越えていたかもしれませんが、今は命にかかわるレベルの暑さで、水分補給だけで乗り切れる時代ではなくなってきているのです。
その一方で、「行事は大切にしたい」「運動会で子どもたちが輝く姿を見てほしい」という思いも強くありますよね。
だからこそ、行事としてのよさを残しながら、無理なく安全に実施する方法を考えていく必要があります。
今回の記事は、運動会を縮小する理由や実現するための10の方法、熱中症対策10選をわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 誰も熱中症にらないように、運動会を安全に実施したい
- 運動会の実施に向けて、縮小する方法を考えている
- 半日でも「やってよかった!」と思える運動会を実現したい
この記事を読めば、運動会を無理なく・安全に・意味のある形で実施する方法が見えてきます。
また、これからの時代に必要な「熱中症対策としての運動会の縮小」の視点を持つことができるようになります。
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運動会の縮小が求められている理由
近年、小学校の運動会に関して「プログラムを短くする」「午前中だけで終える」など、縮小の動きが全国的に広がっています。
かつては「運動会といえば一日がかりで行うもの」というイメージがありましたが、今はその常識が大きく変わりつつあるのです。
なぜこのような変化が起きているのでしょうか?
ここでは、運動会を縮小する理由を、学校現場の視点から丁寧に説明します。
子どもたちの命を守るため
運動会の縮小が進んでいる最も大きな理由は、熱中症のリスクが年々高まっていることです。
昔よりも気温が上がり、日差しも強くなっている今、子どもたちが長時間炎天下で活動することは、健康上の大きな危険を伴います。
特に小学生は、大人に比べて体温調節の力がまだ未熟です。気温だけでなく、湿度や地面からの照り返しによって体にたまる熱をうまく逃がすことができず、短時間でも体調を崩してしまうことがあります。
運動会の縮小は、そうした環境の変化の中で「できることを安全にやる」という前向きな選択なのです。

教師の働き方の見直しのため
運動会の準備は、実は数週間〜数ヶ月にわたって行われています。運動会実施案の作成、運営のための会議、学年ごとの練習、全体練習、進行台本の作成、保護者や地域との調整、用具の準備やテントの設営など、数えきれないほどの仕事が積み重なっています。
特に先生の多くは定時後や休日も使って準備をしており、時間外労働(時間外在校等時間)が慢性的に発生しているという実態があります。
さらに、日々の授業づくりや教材研究、保護者への対応、膨大な事務作業などの業務も並行して進めなければならず、結果的に過重労働となっているのです。

要するに、先生が忙しくて楽をしたいから運動会を削るということなんだね。

実はそうではないんだ。先生たちの心と体に余裕を持つことが、子どもたちにとっての安全につながるんだよ。
無理な働き方のまま運動会を強行してしまうと、先生の目が行き届かなくなり、子どもたちのけがや熱中症の兆しを見逃してしまうリスクが高まります。
だからこそ、こうした状況を見直し、より安全で持続可能な運動会の形に改善しようとする動きが、各地の学校で進められているのです。
保護者の負担に配慮するため
運動会を縮小することには、保護者や地域の方々の負担を軽くするという意味もあります。
一日がかりの運動会では、保護者は朝早くからお弁当を作り、場所取りをし、長時間にわたって校庭に滞在するなど、準備から当日まで多くの労力を必要とします。
特に暑い時期の運動会では、保護者自身の体調管理も課題となります。
さらに、近年は共働き家庭が増えており、「朝からお弁当を作る時間がない」「仕事の都合で半日しか応援に行けない」といった声も多く聞かれるようになりました。
すべての家庭が同じように参加できるとは限らないという現実が、教育現場にも突きつけられています。
家族みんなで運動会を楽しむという文化や思い出づくりを残しながらも、今の時代に合った無理のない形に見直すことが必要なのです。
教育の本質を見つめ直すため
そもそも運動会は、子どもたちが力を合わせて挑戦し、協力することの大切さや目標に向かって努力する姿勢を学ぶ場です。
単に勝ち負けを競うだけでなく、仲間と心を一つにして取り組む中で、達成感や自己肯定感を育てることが本来の目的だといえます。
しかし、現実には、プログラムが多すぎたり、練習に時間を割きすぎたりすることで、ただこなすだけの表現(演技)や競技になってしまっては、本来得られるはずの教育的価値が薄れてしまいます。
また、運動会に向けた過密なスケジュールや長時間の練習が続くと、子どもたちの疲れが溜まり、国語や算数といった日常の授業に集中できなくなるという様子も見られます。
運動会を縮小するという選択は、決して教育を削ることではなく、子どもたちにとって本当に大切な学びを見失わないための、前向きな見直しなのです。
運動会の時間を短縮する方法10選
前述の通り、暑さによる熱中症リスクの増加や、先生・保護者・子どもの負担の大きさが深刻な問題として指摘されており、「どうすれば安全に、かつ教育的価値を保ったまま運動会を実施できるか?」が全国の学校で話し合われています。
その中で、運動会のプログラムをただ単に削るのではなく、子どもたちにとって本当に意味のある経験だけを残すという、前向きな取り組みが行われています。
ここでは、実際に現場で実践されている10の運動会の短縮方法をご紹介します。
- PTA・地域種目を見直す。
- 開会式・閉会式をコンパクトにする。
- 応援合戦の時間を短縮する。
- 種目数を3つから2つに減らす。
- 学年帯でまとめて行う。
- 自席から入退場する。
- 選抜リレーなどの代表競技を見直す。
- 競技の判定方法を工夫する。
- 昼食の時間を設けない。
- 雨天順延ではなく、縮小開催に切り替える。
①PTA・地域種目を見直す
運動会には、PTAや地域の方々が参加する種目が含まれていることが多いです。
こうした種目は、地域とのつながりや世代を超えた交流を育む貴重な機会であり、会場の雰囲気を和やかにしてくれる存在です。
しかし一方で、準備や説明、出入りの誘導に時間がかかることが多く、進行全体を圧迫する要因になっているのも事実です。
運動会当日はあくまでも子どもたちが主役となるように設計することで、限られた時間の中で子どもたちの出番を増やし、教育的な価値を高める運営できます。
②開会式・閉会式をコンパクトにする
開会式や閉会式は、運動会の始まりと終わりを引き締める大切な時間ですが、過剰な演出や長時間の式典になってしまうと、それだけで長い時間を費やしてしまうこともあります。
特に猛暑の中で長時間立ったまま待機することは、子どもたちの体調に悪影響を与えるリスクがあります。
そこで、行進を取りやめたり、来賓のあいさつを省略したり、国歌や校歌の斉唱を割愛するなど、式の要素を見直す工夫が必要です。
また、代表児童の言葉や選手宣誓も、短く簡潔なものにまとめることで、気持ちを込めながらもスムーズな進行が可能になります。
③応援合戦の時間を短縮する
運動会の名物でもある応援合戦は、子どもたちが団結し、声をそろえて応援する貴重な場面です。
チームごとに工夫をこらし、色とりどりの旗や踊りを披露する姿は、保護者の方にとっても楽しみの一つでしょう。
しかし、各組が3〜5分ずつ演技をするだけでも、全体で15分〜20分を超えることがあります。さらに、移動や準備、入れ替えの時間を含めると、それ以上に長くなります。
このように、負担を減らしながら応援の本質を残す工夫が求められます。
④種目数を3つから2つに減らす
従来の運動会では、「徒競走」「表現(ダンスや演技)」「団体種目(大玉送り・綱引きなど)」の3本立て構成が一般的でした。
しかし現在、多くの学校で「徒競走+表現」あるいは「徒競走+団体競技」など、2種目構成に絞る取り組みが広がっています。
種目を減らすことで、ひとつひとつの活動に丁寧に取り組むことができ、子どもたちの疲労やけがのリスクも大幅に軽減されるのです。

学校によっては、1年生では「徒競走+表現」、2年生では「徒競走+団体競技」というように、学年ごとに実施する種目を隔年で変える工夫を取り入れているところもあります。
⑤学年帯でまとめて行う
各学年が個別に3つの種目を行うスタイルでは、1年生から6年生までで合計18種目にもなることがあります。
その分、準備・説明・移動の時間が増え、結果として1日のスケジュールが非常にタイトになります。
そこで注目されているのが、学年ごとではなく「学年帯(低学年=1・2年/中学年=3・4年/高学年=5・6年)」でまとめて競技を行う方法です。
これにより、種目数が自然に減り、進行もスムーズになります。
さらに、異なる学年が一緒に取り組むことで、上の学年が下の学年をサポートする場面も生まれ、縦のつながりを育てる教育的な効果も期待できます。
⑥自席から入退場する
従来の運動会では、種目ごとに「入場門から入って、退場門から出る」という動線が決まっており、その都度校庭を一周あるいは半周して移動するスタイルが一般的でした。
けれどもこの方法では、移動にかかる時間が想像以上に長く、余計に体力を消耗してしまうリスクがあります。
そこでおすすめなのが、自分の席からそのまま競技に出て、終わったら席に戻るという“シンプルな動線”への変更です。
この工夫だけで、準備・誘導にかかる先生の負担も大きく減少するだけでなく、保護者にとっても「自分の子どもがどこから出て、どこに戻るか」がわかりやすくなるメリットがあります。
⑦選抜リレーなどの代表競技を見直す
選抜リレーは「運動会の花形」ともいえる存在で、子どもたちにも保護者にも人気の高い種目です。
しかしその一方で、選手決めに時間がかかる、練習時間の確保が必要、応援の温度差が生まれやすいなど、さまざまな負担も伴います。
学級内で「出る子」「出ない子」がはっきり分かれてしまい、自己肯定感に影響を与えるケースも見られます。
こうした状況に対応するために、選抜リレーのような代表競技を削減し、一人ひとりの活躍の機会が平等になるような見直しが図られています。
⑧競技の判定方法を工夫する
動会では、判定に時間がかかって競技が止まってしまう場面が意外と多くあります。
特に接戦した競技では、「どっちが勝ったのか?」を巡って審判が集まり、確認に数分かかるということも珍しくありません。
このような事態を防ぐために、ゴール判定をビデオで確認できるようにすることで、判定の精度と速さを大きく向上させることができます。
タブレットで競技の様子を録画しておき、必要に応じてすぐに再生して確認するという方法は、多くの学校で取り入れられ始めています。

保護者も応援に熱が入って、審判の判定に対して強い口調で意見を述べる人が出てくることがあるよね。

こうしたトラブルを未然に防ぐために、あらかじめ順位や得点をつけない方針をとっている学校もあります。
勝敗にこだわるのではなく、子どもたちが一生懸命に取り組む姿そのものに価値を見いだすという考え方です。
⑨昼食の時間を設けない
かつては、運動会といえば「家族でお弁当を囲むのが楽しみ」というイメージが強くありました。
しかし近年では、猛暑による熱中症のリスクや、食中毒・衛生面の問題、共働き家庭への配慮などから、昼食の時間を設けずに午前中で終了するスタイルを採用する学校が増えています。
この形式にすることで、気温が上がる前に競技を終えられるだけでなく、家庭でのお弁当作りの負担も軽減されます。
また、運動会後に学校で調整された給食や配布弁当を教室で食べてから下校するなどの対応も可能です。
⑩雨天順延ではなく、縮小開催に切り替える
当日、天候が崩れてしまった場合、従来は「延期して後日全てを実施する」という対応が主流でしたが、行事の予定が詰まっている現代の学校では、延期そのものが難しいという現実もあります。
そのため、近年では「雨天の場合は縮小版で当日実施する」という柔軟な対応が見直されています。
たとえば、「開会式や閉会式は実施しない」「表現活動のみを体育館で実施する」「徒競走だけを後日に分けて行う」といった方法です。
このような対応により、子どもたちが準備してきた努力を無駄にせず、安全に配慮しながら実施することができます。

運動会の開催日しか来られないという保護者にとって、たとえ一部でも見られるのは嬉しいよね。

校庭で立ち位置や移動のタイミングを考えながらずっと練習してきたことを、いきなり体育館でやるのはやっぱり難しいんだ。それでも、子どもたちは「保護者に見てもらいたい!」っていう気持ちがすごく強くて、本番でちゃんとやりきる姿を見ると、本当に感動するんだ。
運動会での熱中症対策10選
運動会の時間を短縮するだけでは、暑い時期での熱中症のリスクを完全にゼロにすることはできません。
暑さ指数によっては、午前中でも十分に危険な状況になることがあるのです。
運動会を安全に、健康な状態で乗り越えられるようにするためには、熱中症対策が何よりも重要です。
ここでは、運動会で実際に行われている10の熱中症対策をご紹介します。
- 休憩時間を設定する。
- 子どもたちの席にテントを設置する。
- ミストの活用で涼しさをプラスする。
- 校舎内の一部を冷却エリアとして開放する。
- 水筒の補充を促す。
- こまめな水分補給をするように声をかける。
- 暑さ対策グッズを積極的に活用する。
- 体育館を活用して招集や閉会式を行う。
- 開始時刻を早めて、暑さのピークを避ける。
- 危険な状態になる前に中断する。
①休憩時間を設定する
運動会はどうしても緊張感が高まり、「少しぐらいなら大丈夫」と無理をしてしまう子もいます。
だからこそ、計画の中にあらかじめ休憩時間を組み込むことが大切です。
たとえば、競技と競技の合間に、エアコンが効いた教室に戻って体を冷やす時間を設定することで、体の負担を大きく減らすことができます。
「がんばる時間」と「休む時間」をセットで設計することで、子どもたちは安心して運動会に臨むことができるのです。
- 各学年で休憩を取る…運動会全体の進行を止めることなく、次の競技に備えてしっかりと回復できるメリットがあります。しかし、他の学年の競技を間近で見ることができないデメリットもあります。
- 全学年で休憩を取る…運動会の進行をストップさせて、全員が落ち着いてしっかりと休めるというメリットがあります。しかし、運動会全体の所要時間が長くなるため、終了時刻が遅くなりやすく、そのぶん暑さ指数が上昇する時間帯に競技がかかってしまうデメリットもあります。
②子どもたちの席にテントを設置する
日差しをまともに浴びる場所に座っていれば、動かずにいるだけでも体力が奪われていきます。
そのため、競技の出番を待つ子どもたちの座席には必ずテントを設置するようにします。
テントの下にいることで、直射日光を避け、体感温度を数度下げることができます。
ただし、テントの数が大幅に増えることで、設置や片付けにかかる時間も長くなり、先生方や6年生への負担が大きくなってしまうという課題もあります。

「保護者席にもテントを設置してほしい」という要望が寄せられることもあるよね。

その場合はPTA会費でテントを購入したり、準備や片づけの際に保護者の全面的な協力も必要になったりします。
③ミストの活用で涼しさをプラスする
ミスト装置とは、水を極めて細かい霧状にして空気中に噴射する設備のことです。
気化熱によって周囲の空気を冷やす効果があり、日陰が作りにくい場所でも役立ちます。
校庭の出入り口や、観覧席付近など、多くの人が集まる場所にミストを設置することで、全体の暑さを和らげることができます。
風があってもミストは広がりやすく、風通しの良い場所でも局所的に涼しい空間をつくり出せるのが特徴です。
設置が難しい場合でも、ポンプ式の簡易ミストや冷水を入れた手持ちのスプレーボトルを配布する工夫も効果的です。
④校舎内の一部を冷却エリアとして開放する
体育館や教室など、エアコンが使える場所を「冷却エリア」として事前に確保し、常時開放しておくことは非常に重要です。
子どもたちが急に気分が悪くなったり、軽度の熱中症の症状が出たりしたときに、すぐに体を冷やして休める場所があるかどうかが、対応の早さと安全に直結します。
また、この冷却エリアは子どもたちだけでなく、保護者にも開放しておくことが望まれます。
小さなお子さんの付き添いや、体調に不安のある高齢の方などが休憩できる場所があることで、保護者も安心して運動会に参加できる環境が整います。
⑤水筒の補充を促す
「水筒を持たせたから大丈夫」ではありません。運動会当日は、予想以上に水分を必要とするため、水筒1本では足りなくなる可能性が高いのです。
だからこそ、事前に保護者へ「大きめの水筒を持たせてください」「可能であれば2本ご用意ください」など、具体的にお願いすることが必要です。
また、当日に備えて、給水スペースや補充できる場所を用意しておくことも有効です。
家庭からの再補充ができるようにすることで、万が一水筒が空になった場合にもすぐに対応できる安心感があります。
⑥こまめな水分補給をするように声をかける
どれだけ水筒の中身を充実させても、子どもたちが自分の判断で適切なタイミングに水分を取るとは限りません。
特に緊張していたり、応援や競技に夢中になっていたりすると、喉が渇いていても気づかない子もいます。
だからこそ、先生たちが競技の合間や待機中に「今、水分とってね」と声をかけ続けることがとても大切です。
さらに、放送などで全体に向けて定期的に水分補給を呼びかけることで、「水を飲んでもいい」という安心感をつくることも効果的です。
⑦暑さ対策グッズを積極的に活用する
家庭に協力をお願いして、冷感タオル・アイスネック(ネッククーラー)・凍らせたペットボトルなど、暑さ対策グッズを持参してもらうよう呼びかけましょう。
競技に出ていない時間も、座席でそれらのグッズを活用することで、体温の上昇を防ぎ、疲労を軽減できます。
特に凍らせたペットボトルは、飲むだけでなく、首やわきの下を冷やすのにも使える万能アイテムです。
ただし、直接肌に当てると冷たすぎて逆効果になることもあるため、タオルなどで包んで使うよう事前に指導しておくことが必要です。
⑧体育館を活用して招集や閉会式を行う
運動会では、子どもたちが外で整列して待機する時間が体力を奪う大きな要因になります。
そこで、エアコンが効いた体育館を「招集場所」として使う工夫が効果を発揮します。
涼しい場所で整列しておき、出番になったらそのまま校庭へ移動するスタイルです。これだけでも、子どもたちの負担は大きく軽減されます。
また、状況によっては閉会式を体育館で行うという柔軟な対応も有効です。
特に暑さ指数が高くなることが予想される場合には、屋内で閉会式を行うことが子どもたちの安全を守る大きな選択肢になります。
⑨開始時刻を早めて、暑さのピークを避ける
熱中症のリスクが最も高くなるのは、気温と湿度がともに上がる昼前後の時間帯です。
そこで、運動会の開始時刻を5分でも10分でも早めて、涼しい時間帯に競技を多く行うよう調整することが効果的です。
そのためには、事前に運動会のお知らせやメール配信などで保護者へ「暑さ指数の状況によっては開始時刻を前倒しする場合があります」と伝えておくことが重要です。
急な変更でもスムーズに対応できるよう、家庭との信頼関係と情報共有がカギになります。
⑩危険な状態になる前に中断する
運動会を進めている最中でも、「このまま進めては危険だ」と感じたら中断する判断が必要です。
「もう少しで終わるから…」「最後まで運動会を終わらせたい」という気持ちはとてもよくわかりますが、その“もう少し”が命取りになることもあるのです。
暑さ指数(WBGT)を定期的に確認し、子どもたちの表情や動きに異変がないかを見守ることです。
そして、もし異変を感じたら、迷わず「中断」を判断する勇気が何よりも大切です。

昔は「暑いのを我慢するのも修行のうち」「これくらい耐えられなくてどうするの!?」と言われることがあったね。

しかし今は、気候そのものが大きく変わってきています。子どもたちの命と健康を守るためには、“我慢させる”ではなく、“守るために判断する”ことが、学校の役割です。
まとめ
今回は運動会を縮小する理由や実現するための10の方法、熱中症対策10選について紹介しました。
- 気温の上昇や熱中症リスクの高まりによって、昔と同じスタイルの運動会を続けるのは危険であること
- 運動会の内容を見直すことで、子どもの健康と命を守りながら、教育的な価値をしっかり守ることができること
- 規模の縮小や時間短縮を通して、「やってよかった」と感じられる運動会を実現する工夫がたくさんあること
この記事を読んだことで、運動会の縮小はマイナスではなく、再構築することでプラスに変わるものだと、前向きに考える視点を持てたのではないでしょうか。
「運動会=一大イベントだから盛大にやるべき」といった考え方が、子どもたちの体調や安全を後回しにしてしまうこともあります。
けれど、今の時代に合った形に見直すことは、決して妥協ではありません。
それは、子どもたちの命を守りながら、行事の意味を改めて問い直すことにもつながるのです。
皆様の学校の運動会が、より安全で、より意味のある行事になることを願っています。