【教師必見】新年度準備40チェックリスト!

どうも、まっつーです。
4月1日から新年度が始まり、「準備が多すぎて、どこから始めればいいか不安…」「見通しを持って進めるにはどうすればいい?」と悩んでいませんか?
特に、異動したばかりの先生にとって、新学期の準備は大きなプレッシャーになります。
また、初任の先生にとっても、「学校に配属されて、最初に何の仕事をすればいいのかわからない…」と不安を感じることがあるでしょう。
でも、大丈夫です!
しっかりと計画を立て、優先順位をつけて準備を進めれば、新年度をスムーズにスタートできます。
今回の記事では、学校の先生が新年度で準備すべきことを1〜40までリストアップし、それぞれの仕事内容についてわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- チェックリストで仕事の抜けや漏れを確認したい
- 教室環境や学級開きをスムーズに進めたい
- 新しい職場(学校)に早く慣れたい
- 仕事を効率化してプライベートも大切にしたい
新年度が始まって学校の先生がやるべき40の仕事内容はこちらです!
No | 仕事内容 | No | 仕事内容 |
---|---|---|---|
1 | 学校経営方針を読む | 21 | 学級便り(学級通信)の作成 |
2 | 教育計画を読む | 22 | めあてカードの作成 |
3 | 児童生徒名の読み方の確認 | 23 | 学級のルールの策定 |
4 | 児童生徒名簿の作成 | 24 | 学級の仕事の検討 |
5 | 住所録の作成 | 25 | 座席の配置の検討 |
6 | 出席簿の作成 | 26 | 座席の配置の検討 |
7 | 児童生徒の名前印(ゴム印)の確認 | 27 | 掲示物などの教室のレイアウトの検討 |
8 | 児童生徒の引き継ぎ | 28 | 前年度から引き継がれたものの確認 |
9 | 指導要録の確認 | 29 | 文房具の用意 |
10 | 校務支援システムを更新する | 30 | 保健セット(救急セット)の用意 |
11 | 学年での打ち合わせ | 31 | 災害避難セットの用意 |
12 | 教材の選定と注文 | 32 | 名前シールの作成と掲示 |
13 | 保健関係書類の確認 | 33 | 黒板にメッセージをかく |
14 | 学年便りの作成 | 34 | 自己紹介を考える |
15 | 保護者会資料の作成 | 35 | 学級活動の内容を考える |
16 | 配布物の確認 | 36 | 各教科の授業開きの検討 |
17 | 時間割の作成 | 37 | 各教科の最初の単元の教材研究 |
18 | 週案簿の作成 | 38 | 教科書や教材を教室へ運ぶ |
19 | 集金システムの確認と集金袋の用意 | 39 | 校務分掌に関わる仕事 |
20 | 学級経営案の作成 | 40 | 入学式関係の仕事 |
任意 | 名前マグネットの作成 |

こんなに仕事が多いの!?めまいがしそう〜

いきなりロケットスタートで大変です!でも、自分一人だけで仕事を抱え込むのではなく、学年の先生や同じ担当の先生と分担しながら進めていくのが大事です。
この記事を読めば、チェックリストで仕事を確認しながら、新年度の準備を効率よく進められるようになるでしょう!
この記事を書いた人↓

新年度準備の40ある仕事内容を6つに分類して、一つ一つ丁寧に説明していきます!
学校経営方針と教育計画
「学校経営方針と教育計画」についての仕事は、以下の2つです。
1 □学校経営方針を読む
学校経営方針(学校経営計画)とは、学校が目指す教育目標や教育理念、そしてそれを実現するための運営方針をまとめたものです。
企業で例えるならば、経営理念や行動指針を言語化した「ミッション・ビジョン・バリュー」にあたるものだと言えるでしょう。
今後1年間の仕事を進めるうえでの「土台となる大切な考え方」となります。
最初の職員会議等で校長先生から学校経営方針が示されるので、何度も目を通してしっかり理解しておきましょう。
2 □教育計画を読む
教育計画とは、学校経営方針にもとづいて1年間の教育活動を具体的に示した「道しるべ」です。
新年度がスタートすると、怒涛のように学級経営や教室準備、事務作業、資料作成などの仕事を進めていくことになります。
教育計画をしっかりと読むことで、先生同士が共有すべき事項や学校の方向性が明確になります。
また、ねらい・内容・日付・授業時数・担当者などが確認でき、安心して準備を進めることができるでしょう。
児童生徒に関すること
※児童…小学校に通う小学校1年生から6年生までの子ども
※生徒…中学校・高等学校に通う中学1年生から高校3年生までの子ども
児童生徒に関する仕事は、以下の8つです。
3 □児童生徒名の読み方や漢字の確認
子どもの立場からすれば、自分の名前を正しく呼んでもらうことは、教師との信頼関係を築くうえでの第一歩です。
だからこそ、名前の読み方を間違えないことは、先生にとって重要なことだといえます。
日本の漢字には、同じ読み方でも形や発音が微妙に異なるものが多くあります。
- わたなべ…渡辺、渡部、渡邉、渡邊
- 渡部…わたなべ、わたべ
このような漢字の違いや読みのバリエーションを正しく把握するためには、前年度の名簿データやゴム印などを活用して、正確な表記を確認することが大切です。
また、実際にどのように発音するのかについては、前年度の担任の先生に確認するなどして、事前にしっかり調べておく必要があります。
4 □児童生徒名簿(学級名簿)の作成
児童生徒名簿(学級名簿)は、学級運営の基本となる大切な資料です。
基本的には出席番号順の名簿を作成しますが、必要に応じて男女別や背の順などの名簿も準備しておきましょう。
児童生徒名簿を作成することで、以下のさまざまな場面で活用することができます。
5 □住所録の作成
住所録には、子どもたちを指導するうえで重要な情報が含まれます。
作成する際は、個人情報が最新のものであるかを必ず確認し、誤りがあれば修正しておきましょう。
また、個人情報の管理には十分注意し、不要な印刷やデータの取り扱いには気をつけることが大切です。
※始業式などで配布される児童生徒個票(個人カード)を回収した後、それを見ながら最終確認を行うことになります。
6 □出席簿の作成
出席簿とは、児童生徒の出欠状況を記録するための帳簿です。
先生は、毎朝の出席確認をもとに、児童が「出席・欠席・遅刻・早退」のどれに該当するかを記号を使って記録します。
また、その出席簿の記録をもとに、養護教諭(保健の先生)が健康状態や出席状況を把握します。
欠席や遅刻の連絡がないまま登校していないことが確認された場合は、状況に応じて教頭先生(副校長先生)や空いている先生が保護者に連絡をすることもあります。
7 □児童生徒の名前印(ゴム印)の確認
名前印(ゴム印)は、児童生徒の情報をスムーズに管理するために使われるツールです。
学校の事務作業や各種書類の作成で名前印が多く使用されています。
しかし、学校のデジタル化が進み、パソコンでの入力や電子データの活用が一般的になりつつあります。
そのため、名前印を使用する機会はかなり減りましたが、確認は必要です。
もし、名前印を入れているボックスの中身が前年度のままなら、新年度の学級に合わせて入れ替えましょう。
8 □児童生徒の引き継ぎ
新しい担任になった先生にとって、前年度の先生からの引き継ぎは重要です。
児童生徒の性格や得意なこと、苦手なこと、特別な配慮が必要な点などを把握することで、よりスムーズに学級経営を進めることができます。
引き継ぎでは、以下のような内容をしっかり確認しましょう。
前年度の担任や学年の先生だけでなく、専科の先生や養護教諭(保健の先生)とも連携を図りながら、できるだけ正確な情報を把握することが大切です。
9 □指導要録の確認
指導要録とは、児童生徒一人ひとりの学習や生活の記録をまとめた重要な書類で、学習の評価、出席状況、生活態度、特別な指導の記録などが記載されたものです。
これを確認することで、子どもたちのこれまでの学びや成長を理解し、より適切な指導ができるようになります。
もし、指導要録の中身が前年度のままなら、新年度の学級に合わせて入れ替えましょう。
学年や出席番号、担任名、校長名を記入(入力)する作業が必要な場合もあります。
10 □校務支援システムの更新
自治体によって校務支援システムが異なりますが、新しい学年・学級に合わせて児童生徒情報を更新することが必要な場合があります。
前年度のデータのままだと、名簿や出席記録などに影響が出るため、必ず最新の情報に修正しましょう。
更新作業では、以下の内容を確認し、必要に応じて修正します。
校務支援システムを利用することで、児童生徒名簿や住所録、出席簿が自動的に作成されることもあります。

紙の書類については紛失のリスクがあるため、使い終わったら机に置きっぱなしにせず、金庫など指定された管理場所に必ず入れるようにしましょう。個人情報の取り扱いは十分注意を…。

同じ学年の先生と一緒に仕事を進めるといいかもしれないね。
事務作業について
事務作業については、以下の9つです。
11 □学年での打ち合わせ
同じ学年の先生方と集まり、役割分担や学年目標について話し合うことが必要です。
学年全体で統一した指導方針を決めることで、学級ごとのバラつきを防ぎ、子どもたちに一貫した指導を行うことができます。
打ち合わせの内容には、以下のようなものがあります。
こうした打ち合わせをしっかり行うことで、学年の先生同士の連携が強まり、スムーズに新年度を迎えることができます。
12 □教材の選定と注文
学年に応じて、子どもたちが学習で使う教材を選びます。
前年度の学年の先生に相談したり、教材費購入の過去の記録を確認したりしながら、教材の選定を進めていきましょう。
選定後は、教材屋(学習用の教材・教具を販売するお店)さんに連絡して注文します。
新年度が始まったばかりの頃は、各学校から教材屋へ注文が殺到する時期なので、購入した教材が届くまでに時間がかかる場合があります。
はじめの授業に間に合うように、早めに教材を選定し、注文しておきましょう。
13 □保健関係書類の確認
学校では、毎年保護者に保健関係の書類を記入・更新してもらい、児童生徒の健康に関する最新の情報を正確に把握するようにしています。
そのため、保健調査票、運動器検診用保健調査票、結核健診問診票などの配布準備をしっかりと行うことが重要です。
通常、養護教諭(保健の先生)が必要な書類を準備してくれるため、その内容や部数を事前に確認しておきましょう。
また、学年・組・出席番号・氏名を記入したり、必要に応じて名前印を押したりする作業を進めることで、配布や回収がスムーズに行えます。
14 □学年だよりの作成
学年だよりは、保護者が学年の方針を理解し、連携を取るための重要な手段なので、作成や配布の準備を進めていきます。
4月の学年便りには、主に以下のような情報を載せます。
分かりやすい言葉で簡潔にまとめ、必要な情報をしっかり伝えることが大切です。
15 □保護者会資料の作成
新年度が始まるとすぐにやってくるのが、最初の保護者会です。
子どもたちと同じように、保護者の方々も「どんな一年になるのだろう?」「担任の先生はどんな人だろう?」と、不安と期待を抱いています。
そんな中で開かれる保護者会は、家庭と学校の信頼関係を築く第一歩となります。
わかりやすく丁寧に作られた「保護者会資料」を作成・配布することで、保護者が一年間の学校生活を理解し、安心して子どもを送り出せるようになります。
前年度の保護者会資料を読んだり、学年の先生と相談したりしながら、計画的に作成を進めていきましょう。
16 □配布物の確認
新年度の最初には、子どもたちに渡すプリントや資料がたくさんあります。
そのため、事前にすべての配布物が揃っているか、必要な部数が確保されているかを確認します。
一枚ずつ配ると時間がかかってしまうため、すべての配布物をまとめて封筒に入れたり、クリップで留めたり、半分に折って整理したりすると、スムーズに配布することができます。
※緊急時引き取り確認票とは、引き取り訓練や災害などの時に誰が児童を迎えに来るのかを確認するための資料です。この確認票に書かれた氏名と、引き取りに来た人の名前を照合して、児童を安全に引き渡します。
17 □時間割の作成
時間割の担当者から提供された資料を確認し、学級の時間割を作成しましょう。
各教科で年間の授業時数が異なるため、教育計画で示されている週の時数を目安にしながら、バランスよく配置することが大切です。
時間割を作成するポイントは、以下の通りです。
18 □週案簿の作成
週案簿とは、一週間の授業や活動の計画をまとめたもので、授業の進行をスムーズにし、学級運営を安定させるためのツールです。
教科ごとの年間授業時数を考慮しながら、バランスよく進められるよう、週単位で計画を立てていきましょう。
「今日は何を教えようか?」と直前に考えるのではなく、計画に沿って授業を進めることで、落ち着いて指導ができるようになります。
週案簿には、以下の内容などを記入していきます。
週案簿を作成し終えたら、校長先生や副校長先生に提出しましょう。
19 □集金システムの確認と集金袋の用意
学校では、給食費や教材費、遠足・社会科見学・移動教室の費用など、さまざまな集金が必要になります。
近年では、給食費が無償化されたり、現金での集金から銀行口座の引き落としに変更されたりするケースが増えています。
そのため、新年度の始まりには、学校の集金システムがどのようになっているのかをしっかり確認することが大切です。
もし現金での集金が必要な場合は、集金袋を用意し、金額や提出方法を明確にしておく必要があります。
また、保護者に分かりやすく伝えるために、集金の期日(口座引落日)や金額を記載した学年便りやメール配信で連絡しましょう。
学級経営について
学級経営の仕事については、以下の13です。
20 □学級経営案(仮)の作成
学級経営案とは、学級の子どもたちが安心して楽しく学び、成長していくために、1年間をどのように過ごしていくかを考えてまとめる「設計図」です。
新年度の準備を進める中で、まずは「学級経営案(仮)」を作成しておくことが大切です。
最初の段階では、すべてが決まっていなくても問題ありません。
学校経営方針や学年目標、教育計画などをもとに、自分なりの考えをまとめておきましょう。
子どもたちと過ごす中での気づきや、保護者とのコミュニケーションを通して得た情報を学級経営案に反映させながら、完成を目指します。
21 □学級だより(学級通信)の作成
子どもたちが安心して学校生活を送れるように、学級担任は保護者との連携をしっかりと取ることが求められます。
その手段の一つとして「学級だより(学級通信)の発行」があります。
学級通信を発行する目的は、保護者と学級をつなぎ、子どもたちの成長を支えるための情報を共有することです。
学校では、子どもたちが日々さまざまな活動を行いますが、授業参観や学校公開などの機会を除くと、保護者はその様子を直接見ることができません。
学級通信を通して、学校生活の様子や学習の進み具合を伝えることで、保護者が家庭でも子どもたちの学びや成長をサポートしやすくなります。
22 □めあてカードの作成
新年度の始まりは、子どもたちが新しい学年に期待を膨らませると同時に、自分自身の成長を考えるベストなタイミングです。
その中で、学習や生活の目標を明確にし、主体的に学校生活を送るためのツールが「めあてカード」です。
近年、小学校から高校までのキャリア教育の一環として「キャリア・パスポート」の活用が義務化されました。
めあてカードはキャリア・パスポートの一部として活用でき、子どもたちが自分の学びや成長を振り返る手助けをする役割を担っています。
23 □学級のルール(仮)の策定
子どもたちが安心して毎日を過ごし、仲よく学び合う学級をつくるためには、わかりやすくて守りやすい学級のルールが必要です。
新年度の準備の際に、学年の実態を踏まえて「学級のルール(仮)」を策定しておきましょう。
ただし、学級のルールは先生が一方的に押し付けるのではなく、学級開きのときに子どもたちと話し合いながら決めるのが大切です。
ルールが多すぎると子どもたちが窮屈に感じることもあるため、学校や学年で決めたルールを基本にし、学級の特色に合わせて少しアレンジするのが理想です。
24 □学級の仕事の検討
学級内で行われる当番活動や係活動などの仕事は、子どもたちが学校生活の中で責任を持って行動し、自立心や協力する力を育てていくための大切な機会です。
- 掃除当番…教室、廊下、特別教室など、掃除の場所はさまざまであり、それぞれに合った人数配置や役割分担、掃除用具が必要
- 給食当番…給食の準備や配膳、片付けなど
- 日直当番…朝の会や帰りの会の進行、あいさつの号令、連絡事項の伝達など
- 一人一役当番…掲示物の管理、植物の水やり、学級文庫の整理、プリントの配布など
- 係活動…学級をよりよくするために、子どもたちが創意工夫できる活動
こうした仕事をどのように分担し、どんな内容で、どのくらいの人数で行うのかを事前にしっかり検討しておくことで、新学期のスタートをスムーズに切ることができます。
必要に応じて分担表を作成・掲示し、誰がどの当番・係なのかがすぐに分かるようにしておくこともポイントです。
※係活動については、学級開きで子どもたちと話し合いながら決めていきましょう。

25 □座席の準備と配置の検討
教室の中で、子どもたちが毎日長い時間を過ごすのが「自分の座席」です。
そのため、座席の配置が子どもたちにとって安心できる場所になるかどうかは、学級づくりの土台になります。
座席の準備や配置を検討するための視点は、以下の通りです。
子どもたちの視点に立って「ここなら安心して学習できる」と思えるような座席づくりを心がけましょう。

前学年の先生からアドバイスをもらいましょう。たとえば「この子は座席を前にすると安心するよ」などの貴重な情報が得られることもあります。
26 □教室にある備品等の確認
子どもたちが過ごす教室に置いてある備品等が正しく整っているか、必要な数がそろっているか、壊れていないかどうかを事前にチェックしましょう。
不備に気づかないまま授業が始まると、後から対応に追われたり、子どもたちが不便な思いをしたりする原因になります。
また、壊れているものは子どもたちのケガにつながる恐れがあるため、状態に応じて購入や修理を依頼する必要があります。
27 □掲示物などの教室のレイアウトの検討
教室は、子どもたちが1日の大半を過ごす空間です。
その空間が見やすく、使いやすく、落ち着いて過ごせる場所になっているかどうかは、子どもたちの学校生活の質を大きく左右します。
掲示物の貼り方や備品の配置ひとつで、教室の雰囲気がガラリと変わることもあります。
学校全体や学年全体で統一されている場所やものを確認し、教室の配置や子どもたちの動線を意識して、明確な意図をもってレイアウトを決めていきましょう。
28 □前年度から引き継がれたものの確認
新しい教室には、すでにさまざまな物が置かれていることがあります。
それらの多くは、前学年の先生や子どもたちが使っていたもの、あるいは前年度に学校に届いたものであり、今年度も引き続き使用することが予想されます。
だからこそ、学級の子どもたち全員分が揃っているか、きちんと使える状態かをしっかり確認しておくことが必要です。
各学年によって異なりますが、以下のものが一般的です。
数が足りない場合は、教材屋さんに連絡して注文をしておきましょう。
29 □文房具の用意
教室には、毎日の学習活動や掲示作業、掲示物の作成、作品づくりなど、さまざまな場面で文房具を使う機会があります。
先生が使う道具としての文房具はもちろん、子どもたちがうっかり忘れてしまったときに貸し出すための文房具も準備しておきましょう。
必要に応じて数を揃えたり、「貸出用シール」を貼ったりしましょう。
30 □保健セット(救急セット)の用意
子どもたちが学校生活を送る中で、ちょっとしたケガや体調不良が起こることは、決してめずらしいことではありません。
そんなときに、すぐに対応できるように備えておくのが「保健セット(救急セット)」の役割です。
保健の先生(養護教諭)があらかじめ保健セットを用意してくれることがほとんどですが、学級担任としてその中身をしっかり確認し、使いやすく整えておきましょう。
31 □災害避難セットの用意
もしも地震や火災、その他の自然災害が起きたときに、子どもたちを安全に守れるかどうかは、学級担任の事前の備えにかかっています。
災害時あるいは避難訓練時に、教室から安全に避難し、子どもたちの命を守るために災害避難セット(防災セット)すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
中身は、主に以下のものが入っています。
32 □名前シールの作成と掲示
学級担任が新年度の準備に行う作業として、名前シールの作成と掲示がありますが、単なるラベル貼りの作業ではありません。
教室という新しい環境の中で、子どもたち一人ひとりが「ここが自分の居場所だ」と安心できるようにするための大切な準備です。
ロッカーやくつ箱、机、イスなどに自分の名前があることで、子どもは新しい学校生活にスムーズに溶け込むことができます。
名前シールを貼る位置や順番は、学校や学年によってルールが決まっていることが多いので、まずはそれを確認しましょう。
授業について
授業についての仕事は、以下の6つ(+任意の作業)です。
33 □黒板にメッセージをかく
子どもたちは期待と緊張を胸に、ドキドキしながら初めての教室に入ってきます。
そんなとき、最初に目に飛び込んでくるのが教室の黒板です。
黒板にあたたかいメッセージや楽しいイラストがかかれているだけで、子どもたちの不安な心はふっと軽くなります。
近年では黒板アートとして、本格的なイラストをかく先生も増えていますが、難しく考えずに、笑顔の顔マークやハート、音符をちりばめるだけでも、子どもたちには十分伝わります。
34 □自己紹介を考える
子どもたちが教室に入ってきて、担任の先生と初めて出会う瞬間。
そのとき先生がどんなふうに話しかけるかで、「この先生となら頑張れそう」「この教室は安心できそう」といった印象が、子どもたちの心に自然と芽生えていきます。
自己紹介で大切なポイントは、以下の6つです。
言葉の内容ももちろん大事ですが、それ以上に話し方や表情が、子どもたちに安心感を届ける大きなカギになります。
35 □学級活動の内容や流れを考える
学級や学校を円滑に動かしていくために、子どもたち一人ひとりに役割をもって活動することが大切になります。
学級活動の時間を使って担当や配属先を決めたり、手順を伝えたりする仕事は以下の7つがあります。
学級会での話し合いの進め方や、それぞれの仕事の役割を決める際の人数を、あらかじめ決めておきましょう。
※クラブ活動や委員会活動の人数については、教育計画に記載されていたり、特別活動部の先生から提案があったりします。また、前年度のうちに希望調査が行われ、すでに所属先が決まっているケースもあります。
36 □各教科の授業開きの検討
新年度が始まると、学級担任の先生は生活面だけでなく、各教科の学習の進め方についても丁寧に指導していくことが求められます。
子どもたちは教科ごとに新しい学年のルールや学び方をまだよく分かっていない状態なので、年度のはじめに「授業開き」で以下のことを伝えましょう。
37 □各教科の最初の単元の教材研究
学校では、やはり「授業」が学級運営の中心になります。
その中でも、最初の単元は、子どもたちがその教科に対して「楽しい」「わかりやすい」「自分もできそう」と感じられるかどうかを左右する部分です。
授業を意味のある時間にするためには、事前に教材を深く読み込み、学習のねらいや進め方、つまずきやすいポイントを把握しておくことが不可欠です。
さらに、授業の流れや指導の方法を具体的にイメージしながら、必要な準備を進めていきましょう。
38 □教科書や教材を教室へ運ぶ
教科書や教材が学校に届いていたら、まずは納品場所を確認し、数が合っているかをチェックしましょう。
過不足がある場合は、すぐに教科書担当の先生や事務さんに報告したり、教材屋さんに電話で連絡したりします。
確認が終わったら、必要な分を教室へ運び、子どもたちに配布できるようにきれいに並べて準備します。
また、教材の中には「教師用」と「児童生徒用」に分かれているものもあるため、教師用を誤って配布しないように注意しましょう。
任意:名前マグネットの作成
※新年度の準備において必須ではありませんが、「名前マグネット」は授業や学級活動の中でとても便利に活用できるツールですので、ご紹介させていただきます。
まず、名前マグネットの作り方は、以下のの2通りが考えられます。
- 子どもの名前を印刷した紙や、手書きで作成したラベルをラミネート加工して丈夫にし、その裏にマグネットシートを貼りつける
- ラベルプリンターを使って名前を印刷し、それをマグネットシートに貼りつける
授業では、係や当番などの担当決め、発表の順番、グループ分け、意見の分類、自分の考えの立ち位置を示す場面など、さまざまなところで活用することができます。
先生が毎回黒板に子どもの名前を書き込む手間が省けるため、授業の準備や進行をより効率的に行うことができるというメリットがあります。
また、名前マグネットを使うことで、子どもたちの動きや考えを「見える化」でき、視覚的に分かりやすくなります。
その他
その他の仕事は、以下の2つです。
38 □校務分掌に関わる仕事
教員として新年度を迎えるとき、教室の準備や子どもたちへの対応と並行して進めていかなければならないのが、校務分掌に関わる仕事です。
校務分掌とは、学校全体の運営を円滑に進めるために、教員がそれぞれ役割を分担して担う仕事のことです。
※学校によって校務分掌の名称が異なります。
まずは、自分がどこに所属しているのかを把握し、その部(委員会)で「4月に何を準備しなければならないのか?」を整理しておくことが出発点になります。
そして、同じ部に所属する先生方と相談したり、役割分担を確認したりしながら、チームで仕事を進めていきましょう。
40 □入学式関係の仕事
入学式は、これから学校生活をスタートさせる新一年生の子どもたちとそのご家庭にとって、一生に一度の大切な行事です。
だからこそ、教員一人ひとりが責任をもって準備に関わり、温かく、安心感のある場をつくることが求められます。
入学式の提案者から、職員会議などで資料が配布されます。
などが細かく書かれているので、それをもとに自分がどの役割に関わるかを確認しましょう。
全体の流れをイメージしながら、同じ担当になっている先生方と連携し、一緒に仕事を進めていくことで、スムーズな運営につながります。
まとめ
今回は教員が新年度で準備すべき全40チェックリストについて紹介しました。
「何から手をつければよいのか分からない!」と感じたときこそ、このチェックリストを活用すれば、新年度のスタートを自信を持って迎えられるはずです。
準備の量は多くて大変ですが、優先順位をつけて一つずつ進めていけば大丈夫!
この春を、子どもたちと一緒に最高のスタートにするためにも、しっかりとした準備をしていきましょう。