【裏技】テストを即日採点・返却する9つの倍速テクニック!

どうも、まっつーです。
学級経営をする中で、「テスト返し、まだ終わってない…」「提出されたテストが積まれてたまま…」と、日々の業務に追われながらテストの採点と返却に頭を悩ませていませんか?
採点作業は、先生の“見えない大仕事”のひとつ。授業や会議、保護者対応などの合間を縫ってテストを採点し、子どもたちに返却するのは、本当に大変なことです。
しかし、テスト返却が遅くなればなるほど、子どもたちの学びのチャンスはどんどん遠ざかっていくというのも事実です。
テストが終わった“その瞬間”こそが、子どもたちの学びに火がつく最大のタイミング。だからこそ、できる限り早く採点・返却することが求めらるのです。
今回の記事は、学校現場で実践していたテストを最速で採点・返却するための工夫9選(採点テクニック4選+返却テクニック5選)をわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- テストを「その日のうちに返したい」と思っている
- 他の仕事に追われ、採点や返却が後回しになりがち
- 子どもたちに「テストをいつ返してくれるの?」「早く返して」と言われて困っている
この記事を読めば、気合いや根性に頼らず、効率よくスピーディにテストを採点・返却する方法が見えてきます。
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テストを早く返却すべき理由
「テストはいつ返せばいいですか?」と聞かれたら、私は迷わずこう答えます。
「できるだけ早く採点・返却してください」と。
理想を言えば、テストを提出したその場で採点し、そのまま返却するのが最も早く、最も効果的です。
しかし、現実には先生一人で30人近くのテストを採点しなければならず、その場で全員分を採点して返却するのは難しいことも多いでしょう。
それでも、可能な限り早く返却する努力をすることが大切です。理由は4つあります。
- 記憶の定着は“今”がチャンス
- 「できること」と「できないこと」を見つけるツール
- 子どもが前向きになれる
- 保護者も“声かけ”がしやすくなる
記憶の定着は“今”がチャンス
子どもたちはテストが終わった直後に、「あ〜ここ間違えたかも」「あの問題、やっぱり自信なかったな」と、自分なりに反省や振り返りをしていることがよくあります。
この「今、頭に残っているタイミング」で復習や解き直しをすることが、記憶を強く定着させるビッグチャンスなのです。
しかし、テストの返却が何日も後になってしまうとどうなるでしょうか?
子どもたちはすでに次の単元に気持ちが切り替わっており、「なぜ間違えたのか?」「どこでつまずいたのか?」「どうすればよかったのか?」を思い出せなくなってしまいます。
せっかくテストを通して得られる学びが、返却の遅れによって台無しになってしまうのは、非常にもったいないことです。
「できること」と「できないこと」を見つけるツール
テストというと、「点数をつけるもの」「良い点を取るためのもの」と思われがちですが、本来の目的はそれだけではありません。
テストは“できていること”と“まだできていないこと”を確認するための大事なツールです。
そして、その目的を果たすためには、「できなかったところ」を早く見つけて復習することが大前提になります。
返却されたその日に間違えた問題を見直し、「今度はどうすればできるか?」と考えることは、次につながる学びの第一歩です。
子どもが前向きになれる
子どもたちは、「すぐにテストが返ってくる」とわかっていると、気持ちの切り替えが早くなり、結果を受け入れて改善する姿勢が生まれます。
また、間違えたことをすぐ直す経験を重ねることで、「自分の弱点を早く見つけて修正する力(自己調整力)」が育っていきます。
一方で、「いつ返ってくるかわからない」「結果が返ってこないから復習できない」という状況では、学習へのモチベーションも下がってしまいます。
さらに、返却が早いことで「先生はきちんと見てくれているんだ」「自分の努力をすぐに評価してもらえた」と感じ、先生との信頼関係も深まるという効果もあります。
保護者も“声かけ”がしやすくなる
保護者は、子どもから「〇日にテストがあるよ」と聞いたり、連絡帳で予定を確認したりして、テストの実施日には強い関心を持っていることが多いです。
実際に、テスト前に一生懸命勉強する子どもの姿を見て、応援する気持ちになることもあるでしょう。
一方で、テストの返却日については、先生がはっきりと伝えられない場合もあります。採点や学級の予定によって、返却日がずれ込むことがあるからです。
その結果、時間が経つにつれて保護者もテストの存在自体を忘れてしまうことがあります。
だからこそ、テストは実施後できるだけ早く返却することが大切です。
返されたテストを子どもが家庭に持ち帰ることで、保護者はすぐに結果を見て、子どもの努力と結果に触れた具体的な言葉をかけることができます。
こうした声かけは、点数だけでなく学びの過程に目を向ける大切な機会となり、“学びを次につなげる力”を育てるきっかけになります。
テストをすぐに採点するための4つの工夫
できるだけ早くテストを採点して返却するためには、「根性でがんばる」「気合でなんとなする」だけでは限界があります。
確かに、「早く返してあげたい」という思いはとても大切です。しかし、学級には多くの子どもたちがいて、同時に他の授業や業務も抱えているのが先生の実情です。
ただやみくもにがんばるだけでは、ミスが出たり、返却が遅れてしまったりして逆効果になってしまうこともあります。そこで重要になるのが、“工夫をすること”です。
ここでは、忙しい毎日の中でも実践できる、テストをスムーズに採点・返却するための4つの具体的な工夫を紹介します。
- 1時間目にテストを実施する。
- テストが終わった子どもから集めて採点する。
- 模範解答を暗記してから採点に取りかかる。
- 休み時間や掃除の時間などに採点する。
①1時間目にテストを実施する
テストを当日中に返却するためには、時間をいかに確保するかが最大のポイントです。
そのためにまず行いたいのが、テストを1時間目に実施することです。
こうすることで、その後の授業と授業の合間の5分休憩や、子どもたちが自習や個別課題に取り組んでいる時間など、さまざまな隙間時間を利用して少しずつ採点を進めることができます。
「塵も積もれば山となる」という言葉の通り、こうした細かな時間の積み重ねが、1日での採点完了につながります。

理想的なのは、5時間目や6時間目にテストを返却して直しの時間を設けることです。子どもたちの記憶が新しいうちに考えさせることで、学びがより深まります。

テストを実施した当日に返却してくれたら、嬉しいよ。
②テストが終わった子どもから集めて採点する
時間を効率よく使うためのもう一つの方法は、テストが終わった児童から順に提出させて、その場で採点を始めることです。以下のようなステップで進めます。
テスト中は、友達の答案が目に入らないように配慮します。
たとえば、机の配置を工夫し、窓側の子どもは窓の方に、廊下側の子どもは廊下の壁の方に向けて机を動かすなどの対応をします。
一度並んだり提出したりしたら、答案は返却しないというルールをあらかじめ明確に伝えておきます。
そのうえで、「間違いや書き忘れがないか、よく見直してから提出するように」と、子どもたちに声をかけておきます。
※最初のうちは提出もバラけており、採点がスムーズに進みます。後半になり提出が集中してくると採点が追いつかなくなる可能性もあるため、表だけを先に採点して、次に裏面をまとめて採点するなど、工夫が必要です。
テストを提出した子どもは、借りた本や一人一台端末、ドリル、プリントなどを使って自主学習に取り組みます。
採点したテストを出席番号順(名前順)に並び替え、点数を記録します。
学級に30人の子ども(出席番号が1〜30)にいると仮定した場合
- テストの出席番号を見て「1〜10」「11〜20」「21〜30」のグループに分ける。
- それぞれのグループ内で、出席番号順に並び替える。
- 最後に、並び替えた3つのグループを順番に重ねて完了!
テストを採点する時は、「子どもたちがいないところの方が落ち着いてできる」「放課後や職員室で採点をするべきだ」という意見があるかもしれません。
しかし、先生がテストを真剣に採点している姿を見せることで、子どもたちにとっても「先生は自分たちの学びを大切にしている」と実感でき、テストに対する信頼感や納得感が高まるという副次的な効果も期待できます。
③模範解答を暗記してから採点に取りかかる
テストを短時間で採点するための裏ワザとしておすすめしたいのが、模範解答をあらかじめ暗記しておくことです。
テスト配布後、子どもたちが問題に取り組んでいる間に、先生は模範解答を見て、すべての設問の正答を把握しておくように努めます。
あらかじめ全問の答えを覚えてしまえば、いざ採点を始めたときに、いちいち模範解答と照らし合わせる手間が省けます。
その結果、目視による即時採点が可能になり、返却までのスピードが飛躍的に向上します。
とくに選択肢問題や記号問題など、覚えやすい形式の問題が多い場合には大変有効です。
④休み時間や掃除の時間などに採点する
忙しい授業の合間を縫っての採点が難しい場合は、休み時間や掃除の時間などを使うという手もあります。たとえば、朝の会やテスト実施後にこう伝えましょう。

今日は、みんなに協力してもらって、休み時間と掃除の時間に先生はテストを採点したいと思います。だからその時間、落ち着いて仲良く過ごしてください。
このように伝えることで、子どもたちは「テストが今日中に返ってくる」というメリットを理解し、教室や校庭での行動を自分たちで意識するようになります。
子どもたちにとっても、「協力したことでテストがすぐ返ってきた」という成功体験が自信と満足感につながります。
テストを返却する際の5つの工夫
テストは返却して終わりではありません。返却後の時間こそが、「できなかったことを、できるようにする」最大のチャンスです。
次の5つポイントを意識して取り組ませ、テスト返却の時間をただの通知ではなく、“振り返り”と“成長”の場に変えていきましょう。
- 机の上には赤えんぴつだけにする。
- 静かに素早くテストを取りに来る。
- 模範解答を配布し、自分で点数やミスを確認させる。
- まちがい直しは赤で、空いた場所に丁寧に書く。
- 採点の理由を説明し、子どもの質問に向き合う。
①机の上には赤えんぴつだけにする
返却の前に、まず机の上を整えさせましょう。鉛筆や消しゴム、定規などはすべて片づけ、赤ペンだけを残しておくことが大切です。
この指示には、「答えを書き換えた」といった誤解や疑いを避けるためという明確な理由があります。
テスト結果に対して冷静に向き合ってほしいからこそ、環境を整えることが第一歩です。
「あとで“正解を書いていたのにバツにされた”というトラブルが起きないように、今から赤ペンだけにします」と、子どもたちにも理由をしっかり説明して納得してもらうことが必要です。
②静かに素早くテストを取りに来る
テストを返すとき、先生が気をつけたいのは「静かな環境でスムーズに返却すること」です。
そのために、子どもたちにはルールをしっかりと伝えておくことが必要です。
テストが出席番号順に並んでいない場合
この場合は、先生が一枚ずつテストを確認しながら、名前を呼んで返却することになります。
このとき、名前を呼ばれた子は、はっきりと「はい」と返事をして、すぐに席を立ち、静かに取りに来るようにします。
しかし、注意したいのが「教室の音」です。名前を呼んでも声が聞こえないほどガヤガヤしていては、返却に時間がかかるうえに、ミスの原因にもなります。
そこで、先生はあらかじめ子どもたちにこう伝えます。

先生の声がちゃんと聞こえるように、静かに待ちましょう。名前を呼ばれたら、すぐに返事をして取りに来てくださいね。
子どもたちはテストの結果にワクワクしたりドキドキしたりしていますが、その感情がざわつきや私語にならないように、意識して静かに待つことが大切です。
テストが出席番号順に整理されている場合
この場合は、「出席番号順に並んでテストを取りに来ましょう」と号令をかければ、一列に並んで順番に受け取るだけで、スムーズに返却が進みます。
このときも、「授業中に廊下を歩くときのように静かに」「テストを受け取ったらすぐに席に戻る」などのルールを事前に伝えておくと、教室全体が落ち着いた雰囲気の中で返却を進めることができます。
③模範解答を配布し、自分で点数やミスを確認させる
子供用の模範解答を一人ひとりに配り、「どの問題が何点だったのか?」「自分の点数に間違いがないか?」を確認させましょう。
ここでのポイントは、先生が一方的に説明するのではなく、子ども自身が「点数に納得するプロセス」を踏むことです。
自分のテストを見ながら、「あれ?ここ、合ってるのに×になってる?」と気づいたり、「どうしてここがバツなんだろう?」と考えたりすることで、“テストを返される”から“テストを振り返る”へと学習の質が変化します。
このタイミングで、集計ミスや明らかな採点ミスがないかもチェックさせておくと、公平性の確保にもつながります。
④まちがい直しは赤で、空いた場所に丁寧に書く
テストの直しは「ただ正解を書くこと」ではなく、“どこで・どう間違えたか”を見える形で残すことが重要です。
誤答の上に正答を重ね書きしてしまうと、どこをどう直したのか分からなくなってしまいます。
そこで、「赤えんぴつで、空いているスペースに丁寧に書きましょう」と指示を出し、修正の過程が見えるようにします。
たとえば、問題番号の近くの余白や、答案用紙の下部などを使って、正しい解き方や正答をしっかり記述させることで、思考の痕跡を残ってふり返りの質がぐっと高まります。
⑤採点の理由を説明し、子どもの質問に向き合う
テストの返却後、採点に納得がいかない子や、なぜバツになったのか分からない子も出てくるはずです。
そんな時に、「質問したい人は持ってきて」と言って個別に対応するだけでなく、全体の場で共通の疑問として扱う工夫をしましょう。
たとえば、「○番の問題で質問があったけど、みんなも見てごらん。同じように答えている人はいなかったかな?」と呼びかけてから、採点の基準や減点理由を丁寧に説明します。
また、「記述式はこういう言葉の使い方だと、答えがずれてしまうんだね」など、子どもたちが「次はどうすればいいか?」を具体的に考えられるような声かけがポイントです。
さらに、「この答えは減点したけど、こういう書き方なら満点だったよ」と改善例を紹介すると、学びの質がさらに深まります。
テストの採点や返却の際の注意点
テストの採点や返却を行う際には、次の2つの注意点を押さえておく必要があります。
学年の先生と「実施日・返却日・採点基準」をそろえる
子どもたちが「○組はもうテスト返ってきたのに、うちはまだ?」「◯組の先生は点が甘いらしい」などと、他の学級との比較を口にすることがあります。
こうした状況を防ぐためにも、学年の先生と連携し、「テストの実施日」「採点基準」「返却日」をできる限り揃えておくことが大切です。
たとえば、テストを実施する日は「○月○日の1時間目に一斉にテストを行おう」と相談し、採点基準についても「この記述問題はこういう表現なら〇、それ以外は△」など、細かな部分まで基準をすり合わせておくことが求められます。
学年で基準を共有することで、採点に対する保護者からの問い合わせにも自信を持って対応できるようになります。「学年全体でこのように判断しています」という一言が、信頼につながります。
また、返却日も、可能な限り同じ日に設定できると理想的です。
たとえば、「当日の6時間目(あるいは翌日の2時間目)に返却して、すぐ直しをする」といった形で統一感をもたせることで、子ども同士の不公平感を減らすことができます。
欠席した子どもがいる場合は返却を待つ
学級の中にまだテストを受けていない子がいる場合、返却を一旦ストップする判断をするか検討しましょう。
たとえば、テスト当日に体調不良で欠席した子がいたとします。
もし他の子にテストが返却されてしまえば、返却されたテストの内容が話題に上り、答えを知ってしまう可能性が考えられます。
公平性の観点からも、全員が受け終わるまでは返却を控えるようにしましょう。
まとめ
今回は学校現場で実践していたテストを最速で採点・返却するための工夫9選(採点テクニック4選+返却テクニック5選)について紹介しました。
- テストの効果を最大限に活かすには、“その日のうちに返却する”ことが理想であること
- 効率よく採点・返却するためには、時間の使い方と工夫がカギであること
- 子どもたちの記憶が新しいうちにテスト直しをさせることで、学びの質が格段に高まるということ
この記事を読んだことで、テストを「ただ点数をつけて返すもの」ではなく、“子どもたちの学びを深めるための大切なツール”として位置づけ、日々の実践に活かしていく視点が得られたのではないでしょうか。
教育的に非常に大切なタイミングを逃さないためにも、ご自身のスタイルに合った採点・返却の方法を見つけ、無理なく継続できる工夫を取り入れてみてください。
そして何より、「先生がすぐにテストを返してくれる」「ちゃんと見てくれている」と子どもたちが感じることで、先生との信頼関係がぐんと深まり、次の学習にも前向きに取り組めるようになります。
テストの採点や返却のあり方が変われば、子どもたちの学びも、先生の働き方も、もっとよくなります。