【知恵袋】提出物の回収が上手い先生の工夫8選!

どうも、まっつーです。
学級を運営する中で、「提出物がなかなか集まらない…」「どうすれば、もっと早く回収することができるだろうか?」と、子どもたちの提出物について頭を抱えていませんか?
これは、多くの先生が日々感じている“あるある”のひとつ。とくに学級担任の先生にとっては、子どもたちの提出状況を把握しつつ、提出そのものを促していくのは、なかなかに骨の折れる仕事だと思います。
忘れがちな子どもに「出しなさい!」と毎回声をかけることも大切ですが、それだけではなかなか改善につながりません。
提出物の回収には、“声かけ”だけでなく“仕組みづくり”がカギになります。
回収の方法や環境の工夫を取り入れることで、先生の負担がぐっと軽くなり、子どもたちも提出しやすくなります。
今回の記事は、提出物の回収を確実かつスムーズにする8つの工夫をわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 提出物がなかなか集まらず、モヤモヤしている
- どうやったら子どもたちが自主的に提出してくれるか悩んでいる
- 提出忘れの子どもを責めずに、前向きに取り組ませたい
- 提出物を集めるのに毎日時間がかかってしまう
この記事を読めば、この記事を読めば、提出物の回収が“大変な仕事”から“仕組みで動く仕事”へと変わり、子どもたちも自然と提出するようになります。
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提出物を確実に回収する理由
教室で日々行われる「提出物の回収」は、一見すると単なる事務作業のように思えるかもしれません。
しかし、実際は実は子どもの学びや成長、先生の指導、そして保護者との信頼関係を支える非常に重要な活動です。
ここでは、なぜ先生が「提出物を確実に回収すること」にこだわるべきなのか、その5つの理由を説明します。
- 未提出や忘れをその場で確認できるから
- 学習状況の把握ができるから
- 子どもが「責任感」を育てられるから
- 紛失や取り違えの防止になるから
- 子どもや保護者と信頼関係を築けるから
未提出や忘れをその場で確認できるから
机上に宿題やプリントが出ていない子がいたとき、その場で声をかけることができれば、忘れ物に気づかせ、提出を促すことができます。
もし提出の確認が遅くなってしまうと、すでに子どもが校庭に出ていたり、下校してしまったりして対応が難しくなります。
また、学年が上がるにつれて「出した」「出してない」のやり取りが複雑になることもあります。
その場で確実に出されたかを確認することは、提出ミスやトラブルの予防につながります。
学習状況の把握ができるから
子どもたちがどのように学習に取り組んでいるかを知るために、提出物はとても大切な情報源です。
たとえば、字の丁寧さ、計算ミスの傾向、文章の構成力、色づかいなど、その子の“学びの様子”が紙の上にはっきり表れます。
提出物を確認することで、「この子はここでつまずいている」「よく頑張って書いている」といった気づきが生まれ、一人一人に合った声かけや支援ができるようになります。
さらに、提出が続いている子と、たびたび忘れてしまう子では、学びへの姿勢にも違いがあるかもしれません。
その変化を日々の提出物を通して把握することが、継続的な学習支援の第一歩となります。
子どもが「責任感」を育てられるから
提出物を毎回きちんと出すことは、子どもにとって「やるべきことをやり遂げる」という責任を果たす大切な経験になります。
自分の力で課題に取り組み、期限までに提出する。こうした流れを繰り返すことで、「できた」「やり切れた」という小さな成功体験が積み重なり、自然と自信と責任感が育っていきます。
また、もし提出できなかったり、うっかり忘れてしまった場合でも、「次はどうすればいいか?」を考える学びのチャンスになります。
そうした経験の中で、時間の使い方や段取り、周りとの関わり方を学ぶことができるのです。
紛失や取り違えの防止になるから
教室でバラバラに提出されたプリントや書類を管理するのは、意外と神経を使う作業です。
提出物がどこかに紛れてしまったり、他の子のものと入れ替わってしまったりするリスクも少なくありません。
特に、健康カードや連絡票など、個人情報が記載されている書類の紛失は大問題になります。
こうしたリスクを避けるためにも、決められたルールに従って提出してもらうことで、紛失や取り違えの防止になります。
子どもや保護者と信頼関係を築けるから
先生が提出物を丁寧に受け取り、きちんと確認していることは、子どもにとっても保護者にとっても安心感につながります。
「せっかく書いたのに見てもらえなかった」「出したのに出していないことにされた」ということがあれば、子どもはがっかりしてやる気をなくしてしまいます。
反対に、「しっかり見てもらえた」「コメントをもらえた」「ハンコやシールがもらえた」いった経験は、子どもにとって大きな励みになります。
また、家庭からの提出書類も確実に回収・管理されていれば、保護者からの信頼も高まります。「先生に任せておけば安心」という信頼関係の土台になるのです。
提出物を回収する方法8選
学級経営の中では、ノートやプリント、テスト、さらには保護者から預かった書類など、さまざまな場面で提出物を回収する機会があります。
こうした場面で、あらかじめ複数の回収方法を知っておくと、状況や目的に応じて最適な手段を選ぶことができ、より確実かつ効率的に集めることができます。
そこで、私が実践で取り入れている提出物の回収方法を8つご紹介します。
- 向きを揃えて提出する。
- カラフルなカゴを使って回収する。
- 出席番号順(名前順)で回収する。
- 列で集める。
- 班で集める。
- 終わった子から集める。
- 重要書類や集金は“確実性”を最優先にする。
- 当番や係の子に任せて回収する。
①向きを揃えて提出する
「向きを揃えて提出する」方法は、年度当初に必ず指導しておきたい基本のルールです。

提出物は『先生、見てください!』の向きで出します。ヒントは「先生が丸つけやしやすい」「読みやすい」向きです。
このひと言があるだけで、子どもたちはノートやプリントの上下・裏表を意識して、自分で正しい向きを判断しようとする姿勢が生まれます。
そして、正しい向きで出せたときはしっかり褒め、間違っていた場合も「こっちが見やすいね」と助言するだけで、提出の質がぐっと高まります。
このルールを徹底することで、先生が後から1枚ずつ用紙の向きを揃える手間が省け、提出物の管理や丸つけも格段に楽になります。
②カラフルなバスケット(カゴ)を使って回収する
プリントが無秩序に教卓へ置かれると、誰が出して、誰が出していないのかがわかりにくくなり、紛失のリスクが高まります。
そこで便利なのが、100円ショップやネット通販などで手に入るA4サイズのカラーバスケット(カゴ)です。提出物の種類ごとにバスケットの色を指定することで、子どもたちも迷わず提出できます。
また、提出物をカゴに入れて管理することで、バラバラになったり、先生の机の上にある他の資料と混ざってしまったりすることを防止することができます。
③出席番号順(名前順)で回収する
効率的かつ正確に回収したいときにおすすめなのが、出席番号順(名前順)に集める方法です。
この方法を使えば、誰が提出していて、誰がまだ出していないのかが一目で分かりやすくなり、名簿へのチェック作業もスムーズに行えます。
また、学級の人数が多い場合には、全員を一列に並ばせると時間がかかってしまうことがあります。
そのようなときは、グループ単位で分けて回収する方法が効果的です。
こうした工夫を取り入れることで、提出物の回収時間を短縮しつつ、正確な確認もしやすくなります。
④列で集める
教室内の座席配置を活かして列で提出物を集める、シンプルでわかりやすい方法です。
- 列で集める方法(1)…一番後ろの席の子がスタートとなり、自分の提出物を前の子に渡します。次の子はそれを受け取り、自分の分を重ねてさらに前へ…というように、順々に前方へ提出物を送り、最終的に一番前の子が先生にまとめて渡します。
- 列で集める方法(2)…一番後ろの子が列ごとに提出物を回収しながら前へ進み、最後に先生へ渡します。この場合、回収する子が一枚ずつ受け取るたびに向きを揃えながら歩くようにすると、きれいに整った状態で集まります。提出物を渡す側の子どもも、向きを揃えてから回収している子に手渡します。
返却の際も、「◯列目の人は取りに来てください」と声をかけるだけでスムーズに配布できるため、手間が少なく効率的です。
⑤班で集める
学級の生活班を活用し、その班ごとに提出物を集める方法も効果的です。
この方法の最大のメリットは、提出物の出し忘れに班内で気づきやすいことです。
「みんな出せた?」という自然な声かけが班の中で交わされることで、協力し合う姿勢や、仲間としての意識が育まれていきます。
また、提出の確認を「先生一人」で行うのではなく、「班で協力して提出する」という仕組みに変えることで、学級全体に責任感と一体感が広がります。
⑥終わった子から集める
テストやプリント課題など、取り組み時間に個人差がある場面では、早く終わった子から提出させるスタイルも有効です。
この方法は、早く終わった子を待たせずに動かせるため、教室の流れを止めずに回収が進むという利点があります。
早く終わった子には、提出後に取り組める他の課題をあらかじめ用意しておくと、学習のリズムが崩れにくくなります。
一方、まだ終わっていない子には、先生が机のそばに行ってさりげなく支援をしたり、ペースに合わせて安心できる声かけをしたりすることで、焦らずに取り組める環境を整えることができます。
⑦重要書類や集金は“確実性”を最優先にする
個人情報や現金などを含む提出物は、特に紛失しては絶対にならない重要なものです。
こういった書類や集金は、次のような点に注意して回収しなければなりません。
たとえ時間がかかっても、慌てることなく落ち着いて回収・管理しましょう。
⑧当番や係の子に任せて回収する
提出物の回収は、先生がすべてを抱え込まなくてもよい仕事です。
係や当番に任せることで、子どもたち自身が学級運営に関わる機会を持ち、自分の役割に誇りを持つようになります。
「これから集めるので、前に出してください」と声をかけたり、提出していない子のところにそっと行って促してくれたりと、自然と“働きかける力”も育ちます。
提出しない子どもへの対応の仕方
子どもが提出物を出さないと、つい「また忘れてる!」「なんで出さないの!?」とイライラしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、大切なのは責めるのではなく、原因に寄り添い、改善のきっかけをつくることです。
ここでは、子どもの心を傷つけず、提出につなげていくための具体的な対応を6つご紹介します。
- 責めない・問い詰めない。
- 理由を聞いて、背景を探る。
- 保護者の協力を得る。
- 提出期日(または提出時間)を明確にする。
- 「出せたこと」をしっかり評価する。
- 提出忘れが続く子に対してサポートする。
責めない・問い詰めない
まず何より大切なのは、子どもを責めたり問い詰めたりしないことです。
「なんで出してないの?」「早く出しなさいって言ったでしょ!?」と強い口調で言ってしまうと、子どもは委縮したり、言い訳をしたり、嘘をついてしまうこともあります。
まずは落ち着いたトーンで、事実だけを確認しましょう。
安心して話せる雰囲気をつくることが第一歩です。
理由を聞いて、背景を探る
提出しない理由は、ただの「忘れ」だけではないかもしれません。子ども一人ひとりの事情があります。
頭ごなしに叱るのではなく、「どうすれば次に出せるか?」を一緒に考える姿勢が大切です。
保護者の協力を得る
特に忘れが続く場合や、家庭の事情が関係している場合には、保護者との連携が欠かせません。
連絡帳あるいは電話で、次のように協力をお願いするスタンスで連絡すると、保護者も受け入れやすくなります。
学校と家庭が一緒に子どもを支えていく姿勢が、提出への後押しになります。
提出期日(または提出時間)を明確にする
提出物の回収においては、「いつでもいいから出してね」などの曖昧な伝え方は避けることが大切です。
あいまいな指示では、子どもが出しそびれたり、後回しにして忘れてしまったりすることがよくあります。
そこで効果的なのが、「いつ出すのか?」を具体的に伝えることです。
このように時間や場所を明確にすることで、子どもは提出する行動のイメージがつきやすくなり、実行に移しやすくなります。
また、それでも提出に間に合わなかった場合には、次の提出チャンスを与えるなど、柔軟な対応も必要です。
「出せたこと」をしっかり評価する
ようやく提出できたときこそ、成長のチャンスです。たとえ締切を過ぎていたとしても、「出せた」という行動そのものが、子どもにとっては一歩踏み出した証です。
そんなときには、結果(内容の良し悪し)ではなく、「行動したこと」自体をしっかりと認めてあげることが何より大切です。
このような声かけによって、「提出しても大丈夫なんだ」「見てもらえるってうれしい」と子ども自身が感じることができます。その気持ちが、次回の提出への前向きな動機づけにつながっていきます。
提出忘れが続く子に対してサポートする
提出物を忘れてしまうことが繰り返される場合は、「やる気の問題」という一面的な見方で終わらせるのではなく、「仕組み」や「環境」の視点からも見直しましょう。
次のような具体的なサポートが有効です。
最終的には子どもが自分の力で提出物を管理できるようになることを目指しましょう。
まとめ
今回は提出物の回収を確実かつスムーズにする8つの工夫について紹介しました。
3つのポイント
- 提出しやすい仕組みやルールをあらかじめ整えておくことで、忘れや出し渋りを防げること
- 子どもの特性や学級の状況に合わせて、柔軟に方法を選ぶことが大切だということ
- 提出できたときには、内容よりもまずは「出せたこと」そのものを評価する声かけが効果的であること
この記事を読んだことで、「出してない子は誰だっけ?」「もう1枚足りない…」といったストレスが減り、提出物の管理がスムーズになることで、子どもたちも先生も気持ちよく1日をスタートさせることができるようになります。
提出物を出すという行動は、子どもにとっては小さなようで、実は大きなステップです。
だからこそ、「出させる」のではなく「自分から出したくなる」「出しやすくする」環境づくりが、先生の役割になります。
そして何より大切なのは、「出せたね、ありがとう」「助かるよ!」といった小さな成功を認めて伝えることです。
お互いに提出物で嫌な思いをしないよう、自立と責任を育てる学級づくりを目指していきましょう。