【必見】 座席表の活用術!子どもの見取りと学級経営のツールに

どうも、まっつーです。
教室の子どもたちの座席を決めたものの、「座席表ってどうやって作ればいいの?」「せっかく座席表を作っても、どう活用すればいいのかわからない…」と悩んでいませんか?
座席表は、ただの“場所の記録”ではありません。
子どもの名前と顔を一致させるための大切なツールであり、学級経営・指導のベースになる情報の地図ともいえる存在です。
今回の記事では、エクセルなどの表計算アプリを使った座席表と、教室での具体的な活用方法について詳しく解説します。

この記事は以下のような人におすすめ!
- 席替えするたびに座席表を作り変えるのが面倒
- 座席表をせっかく作ったけど掲示するだけで終わっている
- 学習支援員や担当教科の先生との連携をもっとスムーズにしたい
- 座席表を学習や生活の記録にも使ってみたい
この記事を読めば、座席表を“学級を支えるツール”へと進化させる方法がきっと見つかります。
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エクセルなどの表計算アプリで作成する
座席表を作るとき、手書きでノートに描いている先生も多いと思います。もちろん、それでもOKです。
でも、「もっと早く」「もっと見やすく」「あとで変更しやすく」作りたいなら、エクセルなどの表計算アプリを使うのが断然おすすめです。
エクセル(Microsoft Excel)やGoogleスプレッドシートなどの表計算アプリは、マス目の中に名前や情報を入力できる便利なソフトです。
そのマス目を使えば、教室の机の配置をそのまま再現できて、どの席に誰が座っているかがひと目でわかる座席表を簡単に作ることができます。

先生は通常、黒板の前に立って授業を進めるため、黒板側からの視点で座席を配置しています。
※学習支援員さんや学習ボランティアさんの要望で、教室後方側からの視点の座席表を作成したこともあります。
表のマス目を使って、32人の学級なら1班4人のグループを基本単位として8班まで編成しています。
さらに、4人グループだけでなく、8人単位の大きなグループも作っておくことで、授業の内容や活動の種類に応じて柔軟に編成を切り替えることが可能になります。
たとえば、「1号車〜4号車」や「一の川〜四の川」など、班のまとまりに名前をつけておくことで、活動指示がスムーズになり、子どもたちの見通しも立ちやすくなります。
- 教室掲示用…B4あるいはA3サイズでカラー印刷をする。
- 記録用…メモをするスペースをつくり、A4サイズでモノクロ印刷をする。※日付や単元名を追加したり、使用しないところを削除したりする。

パソコンで一度作っておけば、次回の座席替えでもベースとして再利用できるので、毎回ゼロから作る手間も省けます。
座席表の活用の仕方

座席表は、作って終わりではありません。“掲示する”ためだけでなく、“日々の学級経営や授業に活かす”ことを意識することが大切です。
せっかく作った座席表(モノクロ印刷)を「実践で使えるツール」にするために、次の①〜③のような活用法があります。
①授業中の反応や評価の記録に活用
座席表を手元に置いておくことで、授業中の子どもたちの発言や反応、ノートに書いた内容などをその場でメモしておくことができます。
これは、単なる記録ではなく、「子どもの思考を可視化する」ための大切なツールになります。
こうした記録があると、授業後に振り返る際に、「その場の印象」ではなく「事実」に基づいて支援や評価を考えることができます。
たとえば、「思考の深まりがあった子にはどんな声かけが有効だったか?」「次の授業ではどこに着目すべきか?」といった具体的な改善にもつながります。
また、個別面談や通知表の所見を書く際にも、この記録がとても大きな助けになります。
②教科担任や学習支援員との情報共有に活用
教科担任制や少人数指導の導入により、担任以外の先生がクラスに入って授業を行う機会が増えています。
そのようなときに、子どもたちの名前と座席の位置が一目でわかる座席表は、授業を円滑に進めるための強力なサポートになります。
また、学習支援員や学習ボランティアがサポートに入る際も、必要な子の座席位置を事前に把握しておくことで、適切な距離感での支援や声かけのタイミングがとりやすくなります。
特に、子どもたちと初めて関わる先生やスタッフにとっては、「名前と顔を一致させること」自体が大きなハードルです。
このとき、座席表があることで、関係づくりのスタートがぐんとスムーズになります。
③専科の先生の座席決めの参考に活用
図工室、音楽室、理科室などの特別教室での活動でも、普段の教室で使っている座席表は非常に役立ちます。
たとえば、専科の先生が特別教室での座席を決める際にも、担任が作成した座席表を参考にすることで、子どもたちの特性や人間関係に配慮した配置を考えることができます。
「この子は集中力が続きにくいから前の席が安心かな」「この子とこの子は一緒だと安心して取り組めるな」「この子は手先が器用だから、サポート役になれるかもしれない」など、子どもたちの実態に応じた判断がしやすくなるのです。
また、年度当初においては、専科の先生が子どもたちの顔と名前を覚えるための資料としても、座席表は有効です。
給食分担表と座席表を連携させて運用
給食の時間になると、給食当番が白衣やマスクを着用して配膳を行います。
しかし、学校給食の時間をしっかり確保し、準備や片付けをスムーズに進めるためには、「学級全体で協力して仕事を進めること」がとても大切です。
そのために、給食分担表と座席表と連携させて、給食の準備や片付けの役割を明確にし、子どもたちが自分の動き方をすぐに理解できるようにしておくことがポイントになります。


各班に4人いるので、それぞれA・B・C・Dの記号をつけて役割を振り分けます。こうすることで、4時間目の授業終了とともに、一斉に給食の準備を開始することができます。
- Aの子は給食当番(8人)…白衣とマスクを着用して、給食を配膳する。
- Bの子は運び(8人)…自分の班の4人分の給食をつくり、机に置く。
- Cの子は配膳台(8人)…給食室にある配膳ワゴンを教室まで運び、配膳台と組み合わせてから食缶や食器を並べる。給食後は配膳ワゴンと配膳台を片付ける。
- Dの子は牛乳パック・机ふき(8人)…自分の班の子の机をふく。その後、前日に干していた牛乳パックを折りたたみ、リサイクルボックスに入れる。
給食の白衣が学級に配布される際、多くの場合には白衣に番号が振られています。
そこで、たとえば「1班のAさんには1番の白衣」「2班のAさんには2番の白衣」といったように、班と番号を対応させておくと、毎回の白衣の配布がスムーズになります。
また、給食の準備をする際には、Bの子どもが自分の班の分だけを配膳することにしておくと、仕事の分担が明確になります。
そのため、「自分ばかりがたくさん配っている気がする」「あの子は給食を運んでいない」といった不満が生まれにくくなります。
給食の準備と片付けの流れ
全員、手洗いを済ませる。
Aの子(給食当番)…Dの子が机を拭いた後、ランチマットを敷いて、白衣とマスクを着用する。
Bの子(運び)…Dの子が机を拭いた後、ランチマットを敷いて、自分の席で待機する。
Cの子(配膳台)…Dの子が机を拭いた後、ランチマットを敷いて、半分の子は給食室へ行き配膳ワゴンを教室まで運ぶ。残りの半分の子は教室に残り、配膳台を準備する。
Dの子(牛乳パック・机ふき)…自分の班の全員分の机を、きれいな布巾で丁寧に拭く。
Aの子(給食当番)…配膳しやすいように、食缶や食器の位置を確認する。
Bの子(運び)…すぐに給食を運べるように、配膳ワゴン(または配膳台)の近くで並ぶ。
Cの子(配膳台)…給食の配膳台から食缶と食器を取り出して、給食当番が配膳できるようにセッティングする。
Dの子(牛乳パック・机ふき)…前日に乾かした牛乳パックを折りたたみ、リサイクルボックスに入れる。
Aの子(給食当番)…給食を配膳する。配膳が終わったら、白衣を脱いでロッカーの中に入れる。
Bの子(運び)…給食をつくり、自分の班の子の机に置く。※4回繰り返す。
Cの子(配膳台)…自分の席で待機する。
Dの子(牛乳パック・机ふき)…牛乳パックを折りたたみ終えたら、自分の席で待機する。
特に仕事はありません。
食べ終わったら、口拭きタオル(ウォッシュタオル)で、口や手の汚れを拭く。
Cの子(配膳台)…布巾で拭いてから、配膳台を片付ける。また、配膳ワゴンを給食室へ運ぶ。
学校によって、配膳ワゴンや配膳台の位置、牛乳パックの処理方法などに違いがありますが、給食の時間において大切なのは、「全員で仕事をする」という意識をもつことです。
ただし、準備の際に特に仕事がない子については、動き回るとぶつかってしまう危険があるため、「自分の席で静かに待機する」というルールをしっかり守らせることが重要です。
このように、役割を明確にし、安全に配慮した動き方を徹底することで、給食の準備や片付けをスムーズに進めることができます。
A・B・C・Dの記号を活用する他の方法
各班の子どもたちにA・B・C・Dなどの記号を割り振る方法は、もともと給食の分担をわかりやすくするための工夫として使っていましたが、、実はこの記号分けは掃除や授業、発表の順番決めなど、さまざまな場面で活用できる万能な仕組みなのです。
記号で役割を可視化することで、先生の指示が簡潔になり、子どもたちも「次に自分が何をすればよいか?」がすぐに理解できます。
ここからは、実際にどのように活用できるのか、具体的な例を紹介していきます。
掃除当番の役割分担が明確になる
掃除の時間は、教室全体で協力して取り組む場面ですが、道具の取り合いが起きたり、「今日は誰が雑巾?」「ほうきが足りない!」といった混乱が起こることもあります。
そんなときこそ、A〜Dの記号を使った役割分担が効果を発揮します。
たとえば、AとBの子はほうき担当、CとDの子は雑巾担当とあらかじめ決めておくだけで、子どもたちは自分の仕事が明確になります。
指示を出す先生も「CとDの人、机を拭いてね」と言えば済み、わざわざ名前を呼ばなくても指示が伝わるようになります。
さらに、「今日はAとCが交代しようか?」とローテーションを取り入れることも簡単にできるため、同じ仕事が続いてマンネリ化することを防ぎ、子どもたちの公平感も守ることができます。
授業中のグループ活動が円滑になる
理科の実験や社会の調べ学習、国語の話し合い活動など、班で協力して取り組む授業は数多くあります。こうした場面でも、記号による役割分担は非常に役立ちます。
たとえば、理科の「金属のあたたまり方」の実験では、以下のように役割を決めておくと準備がスムーズです。
このように事前に役割を記号で示しておくことで、「誰が何をするのか?」という混乱を防ぎ、活動開始までの時間が短縮されます。
また、「A→Dの順で発表しましょう」「Bの人は先生のところにプリントを取りに来てください」「AとCでペア、BとDでペアになって話し合いましょう」など、あらゆる授業で活用できる指示のテンプレートとしても使えます。
記号を使うことで、学習の進行もスムーズになり、子どもたちが自分の役割を意識して主体的に動けるようになります。
まとめ
今回はエクセルなどの表計算アプリを使った座席表と、教室での具体的な活用方法について紹介しました。
- エクセルなどの表計算アプリを使えば、見やすく、修正しやすい座席表が手軽に作れること
- 座席表はただの「記録」ではなく、授業中の反応記録や支援体制づくりにも活用できる「学級経営のツール」になること
- 座席表を給食分担・掃除当番・授業の役割分担などと関連づけることで、学習や生活の流れがスムーズになること
この記事を読んだことで、ただの「座る位置の記録」だった座席表が、子どもたちの成長やクラスの動きを支える大切なツールであることに気づいていただけたと思います。
座席表は、子どもの行動や思考を見取り、先生の判断を支える“学級の地図”です。
ただ座る位置を記録して掲示するだけではもったいない。
明日からの授業と学級づくりに、座席表をどんどん活用していきましょう。