【要注意】小学生のSNSトラブルと14の防衛策!保護者や先生が知っておきたいこと

どうも、まっつーです。
若者のSNS利用が進む中で、「小学生でもSNSを使ってるって本当?」「うちの子もYouTubeとかLINEとか使ってるけど、大丈夫かな?」「SNSトラブルについて、どうやって対策すればいいのか分からない…」と考えたことはありませんか?
今、小学生のSNS利用は想像以上に進んでいます。怖いのはその「利用の広がり」だけではありません。
SNSをきっかけに、いじめ・詐欺・性被害・個人情報の流出といった深刻なトラブルに巻き込まれるケースが、小学生の間でも現実に起きています。
だからこそ今、保護者や先生などの大人が知っておくべきなのは、「そもそもSNSって何?」という基本知識から、「具体的にどんなトラブルがあるのか?」「その予防と対応策は何か?」という実践的な視点までを、しっかり押さえておくことです。
今回の記事は、保護者や先生が知っておくべき小学生のSNSトラブルと主に家庭でできる14の防衛策(4つの注意点+4つのSNS対策+6つの解決策)をわかりやすく解説します!

この記事は以下のような人におすすめ!
- 子どもがSNSを使いたがっているけど、何に気をつければいいのかわからない
- すでにSNSを使っているけど、どのように見守ればいいか不安
- 保護者会や学級通信などでSNSの話題を扱いたい
- 小学生のSNSトラブルの現状と対策を学校で共有したい
- 学級の子どもたちにSNSに関する指導がしたい
この記事を読めば、SNSによる被害から子どもを守るための具体的な対策がわかり、家庭でも学校でも実践できる指導のヒントが手に入ります。
この記事を書いた人↓

SNSってそもそもなに?

SNSとは、英語で「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)」といいます。これは、スマートフォンやパソコンを使って、友だちや家族、知らない人とも、文字・写真・動画などでやりとりができるサービスのことです。
メールや電話とは違って、何人かと同時にグループで会話をしたり、世界中の人とやりとりしたりできるのがSNSの特徴です。
たとえば、今日のできごとを文章にして投稿したり、自分が作ったお弁当の写真を載せたり、好きな音楽を紹介したりすることで、「見てくれた人」や「コメントをくれた人」と気持ちや考えを共有することができます。
つまり、SNSは「伝える・つながる・広がる」ための道具なのです。
SNSにはどんな種類があるのか?
日本で使われているSNSには、いろいろな種類があります。それぞれに特徴や使い方があり、目的によって使い分けられています。
ここでは、代表的なSNSを6つ紹介します。
子どもたちが現在使っているものや、これから使う可能性のあるSNSの特徴を知っておくことで、トラブルが起きたときにも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
LINE(ライン)
LINE(ライン)とは、LINEヤフー株式会社が提供する、スマートフォンやパソコンで使える無料のコミュニケーションアプリのことです。
家族や友だちと、1対1のメッセージのやり取りはもちろん、複数人でのグループチャット、さらに音声通話やビデオ通話も無料で利用できます。
また、LINEは個人間のやりとりだけでなく、企業とお客様との連絡手段や、行政サービスの通知・情報提供など、幅広い用途で使われている社会的なインフラのひとつとなっています。
- トーク(メッセージのやりとり)…友だちや家族、またはグループを作って、文字や写真、スタンプを使った会話ができます。既読機能もあり、相手がメッセージを読んだかどうかもわかります。
- 音声通話・ビデオ通話…LINEを使っている人同士であれば、無料で電話やビデオ通話ができます。遠くに住んでいる人とも顔を見て話せるため、多くの人に親しまれています。
- LINEスタンプ…LINEならではの表現方法として、かわいい・面白い・感情豊かなスタンプが豊富にそろっています。言葉だけでは伝わりにくい気持ちも、スタンプで楽しくやりとりできます。
- 着せかえ機能…LINEアプリの画面デザイン(UI)を、自分の好みに合わせて変更することができます。お気に入りのキャラクターや季節に合わせたテーマで、アプリをより楽しく使えます。
- オープンチャット…同じ趣味や興味をもつ人たちとつながれるのがオープンチャット機能です。名前やプロフィールを匿名で設定できるため、初対面の人とも安心して会話を楽しむことができます。
Instagram(インスタグラム)
Instagram(インスタグラム)とは、Facebookを運営することで知られるMeta社が開発・提供している、写真や動画を共有することに特化したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のことです。
Instagramは、視覚的なコンテンツ(=見て楽しむ内容)を手軽に発信・閲覧できるアプリとして、世界中で利用されています。
個人のユーザーはもちろん、企業や有名人、インフルエンサーなどが、情報発信や商品・サービスのプロモーションの場としても積極的に活用しています。
Instagramを使えば、スマートフォンで撮影した写真や動画を簡単に加工・投稿できます。
- フィルター機能…写真や動画の雰囲気をワンタッチで変更できる
- スタンプや文字入れ…かわいく楽しく演出できる
- レイアウト調整…複数の画像を組み合わせて一つの投稿にできる
Instagramを使えば、自分で投稿するだけでなく、他の人の投稿を楽しむこともできます。
- フォローしたユーザーの投稿をタイムラインで見る
- ハッシュタグ(#)を使って検索し、共通の趣味や関心を持つ人の投稿を探す
- ストーリー…24時間で消える短い動画や写真を投稿する機能
- リール…音楽や効果をつけた短編動画を投稿する機能
- ライブ配信…リアルタイムで映像を届け、コメントを通じて視聴者とやりとりができる機能

Instagramの登場によって生まれた言葉の一つが、「インスタ映え」です。これは、写真や動画がInstagram上で見栄えよく映えることを意味し、料理・旅行・ファッションなどの場面で、きれいで魅力的な一枚を撮ろうと工夫する文化を生み出しました。
X(エックス:旧Twitter)
X(エックス)とは、アメリカの企業であるX Corp.(エックス社)が運営する、短い文章(140文字以内)を使って自分の気持ちや考えを世界中に発信できるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことです。
手軽に使えることから、日常の出来事をつぶやいたり、社会の出来事に意見を述べたり、災害時にいち早く情報を届けたりと、さまざまな目的で活用されています。
特に、「今この瞬間のことをすぐに発信したい人」や、「いち早く最新情報を手に入れたい人」にとって、Xは非常に便利なツールとなっています。
- 140文字以内の短文投稿…140文字という限られた文字数の中で自分の考えや気持ちを表現します。
- リアルタイムで情報を発信・共有できる…学校の出来事や地震速報、スポーツの試合結果、イベントの感想など、リアルタイムで発信された情報がタイムラインにどんどん流れてくるのがXの魅力です。
- 拡散力の高さ(リポスト機能)…投稿が「リポスト(旧リツイート)」されることで、自分の言葉が一気に多くの人に届く可能性があります。
- 投稿できるコンテンツの多様性…文字だけでなく写真・動画・Webリンクも投稿可能です。
YouTube(ユーチューブ)
YouTube(ユーチューブ)とは、Googleが運営する世界最大の動画共有サービスのことです。
インターネットを使って、誰でも自分で作成した動画をアップロード(投稿)できるだけでなく、世界中の人が投稿した動画を無料で視聴することができます。
YouTubeでは、音楽、ゲーム実況、スポーツ、教育、子ども向け番組など、あらゆるジャンルの動画が配信されています。
投稿できる動画の長さも最大12時間、ファイルサイズは最大256GBまでと幅広く、短いクリップから長時間の講義動画まで自由に制作・公開することが可能です。
- 動画の投稿と視聴…ユーザーは自分で撮影・編集した動画をYouTubeに投稿できます。他のユーザーはそれを自由に視聴し、再生回数や「いいね」などで反応を示すことができます。
- チャンネル登録…気に入った投稿者のチャンネルを「チャンネル登録」しておけば、新しい動画が公開されたときに通知が届くので、見逃さずにチェックできます。
- コメント機能…動画にはコメントを書くことができ、視聴者同士や投稿者とのコミュニケーションも可能です。
- プレイリストの作成…お気に入りの動画を自分のプレイリストにまとめて保存・連続再生することができます。
TikTok(ティックトック)
TikTok(ティックトック)とは、中国の企業ByteDance(バイトダンス)社が提供している、スマートフォン向けのショートムービー投稿型SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことです。
誰でも手軽に短い動画を撮影・編集・投稿できるという使いやすさが特徴で、こうした手軽さから、TikTokは世界中のユーザーに支持されています。
投稿される動画の多くはエンタメ性の高いもので、たとえば音楽に合わせて歌ったり踊ったりする動画や、メイクの方法をわかりやすく紹介する動画、さらにはおすすめの商品をレビューする動画など、日常の楽しさや役立つ情報を伝えるコンテンツが多く見られます。
- ショートムービーの投稿と視聴…15秒から数分程度の短い動画(ショートムービー)を投稿することができます。スマートフォン1台あれば、特別な編集ソフトや撮影機材がなくても、誰でも動画クリエイターとして発信できる点が、多くの若者に支持されている理由です。
- 音楽や効果音で楽しく表現…豊富な楽曲・効果音・スタンプ・フィルターを自由に使って動画を編集することができます。
- 「バズる」ことで多くの人に届く…投稿した動画がたくさんの人に再生されると「バズる(=爆発的に人気が出る)」という現象が起きます。再生数や「いいね」が急増すると、おすすめ動画(レコメンド)として他のユーザーにも表示され、フォロワーが一気に増えることもあります。
BeReal(ビーリアル)
BeReal(ビーリアル)とは、フランスで開発されたBeReal社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことです。
このアプリの最大の特徴は、「ありのままの日常をそのままの姿で共有する」というコンセプトにあります。
InstagramやTikTokのように、映える写真を撮ったり、フィルターで加工したりするのではなく、リアルな日常を、加工なしでそのまま投稿することを目的としたSNSです。
- 1日1回、突然届く通知が合図…毎日1回、ランダムな時間に「今のあなたを見せてください」という通知が届きます。通知が来たら、2分以内に写真を撮って投稿するというルールになっています。
- フィルターも加工もなし…写真にフィルターや加工を加えることができません。つまり、「映えさせる」ことよりも、「今、この瞬間をそのまま残すこと」が大切にされています。
- いいねもフォローもなし…他のSNSによくある「いいね」や「フォロー」といった機能がありません。そのかわりに、実際の友だちとのリアルな関係性を重視する設計になっています。投稿に対して反応したいときは、通常の絵文字ではなく、自分の顔写真を使って感情を表現する「RealMoji(リアルモジ)」という機能を使います。
小学生のSNS利用はどれくらい?

総務省の調査(令和5年通信利用動向調査)によると、インターネット利用している6〜12歳の子どもの割合は89.1%で、そのうちSNSを利用している割合は43.5%いることがわかりました
また、2025年4月10日に発表した「モバイル社会研究所の調査」によると、SNSの利用率は小1〜小3で31%(男子:25%、女子:36%)、小4〜小6で63%(男子:53%、女子:75%)いることがわかりました。
つまり、小学生の5人のうち2人はSNSを使っているという現実があります。
しかも、小4〜小6の高学年の女子については、4人うち3人がSNSを使っていることになります。
小学生がSNSを利用する主な理由
SNSは今や大人だけでなく、小学生にとっても身近な存在となりました。
LINEやYouTube、TikTokなどを通して、子どもたちは自分なりの方法で人とつながり、情報を得て、表現するようになっています。
では、なぜ多くの小学生がSNSを使うのでしょうか?
その主な理由は、次の5つが挙げられます。
友達とのつながりを深めたいから
SNSを利用する最も大きな理由は、友達とコミュニケーションを取りたいからです。
たとえば、LINEでクラスの友達とグループチャットをしたり、習い事の仲間と連絡を取り合ったりすることで、学校外の時間にも人とつながっていられる安心感を得ています。
また、最近ではゲーム内で知り合った友達とSNSを通じて交流を続けることもあり、現実の交友関係がデジタル空間へと広がっている様子がうかがえます。
小学生にとって、誰かと話す・共有するという行為は、自分の存在を認めてもらうための大切なプロセスであり、SNSはその手段として大きな役割を果たしているのです。
動画やコンテンツを楽しみたいから
次に挙げられるのが、動画を見たり、好きなコンテンツを楽しんだりするための利用です。
特にYouTubeは、教育的な解説動画やクイズ、ゲーム実況、ペット動画など、子どもたちの興味を引くコンテンツが数多くあります。
また、TikTokのようなショート動画アプリも、短時間でたくさんの動画を見られるという気軽さがあります。
「ちょっとだけ気分転換に見よう」「好きな音楽に合わせたダンスが面白い」という感覚で、SNSがちょっとした“遊び場”や“癒しの時間”になっているのです。
みんなと同じことをして、流行に乗りたいから
小学生は思春期の入り口に差し掛かり、「仲間と同じでいたい」「自分だけ置いていかれたくない」という気持ちが強くなります。
そんな中、SNSで流行しているダンスや言葉を知っていることが、友達との会話のネタになったり、仲間意識を育てる要素になったりすることがあります。
「〇〇ちゃんの動画見た?」「あの歌、バズってるよね!」といった話題についていけるかどうかが、子どもたちの中での“安心できる位置づけ”に関わってくることもあるのです。
自分も発信して認められたいから
「自分の思いを動画や写真で表現したい」「有名になりたい」という気持ちを持つ小学生も少なくありません。
「将来はYouTuberになりたい」「TikTokで“バズりたい”」といった夢を持つ子どもも増えており、SNSは“なりたい自分”を試せる場でもあるのです。
これまでは「自己表現」の場といえば、学校や習い事が中心でしたが、今ではその舞台がインターネットの世界へと広がっています。
情報を集めて学びたいから
SNSは娯楽のためだけのものではなく、子どもたちにとって情報収集や学びの場としても活用され始めています。
たとえば、自由研究のアイデアを探すときには、他の人の投稿を参考にしたり、実験動画を見て進め方を学んだりする子どももいます。
また、「テスト勉強のコツ」「漢字の覚え方」「九九の歌」などを紹介する動画も人気があり、楽しみながら知識を身につけられるコンテンツとして役立てているケースもあります。
中には、好きなスポーツ選手の練習風景を動画で見てフォームを真似るといった、技術習得の場としてSNSを利用する子も少なくありません。
このように、SNSは「自分が知りたいことを、知りたいときに、楽しく学べる」ツールとしての一面も持っています。
小学生に起こりやすいSNSトラブル

小学生同士のSNSトラブルで最も多いのが、「言葉」のやりとりから生まれる誤解や仲間外れです。
SNSでは、文字だけで気持ちを伝えるため、疑問符のつけ忘れや変換ミス、打ち間違いなど、ちょっとした言葉の違いがトラブルの引き金になります。
また、軽い冗談のつもりで書いた言葉が相手を深く傷つけたり、LINEグループで無視されたり、グループから突然外されたりするなど、「見えないいじめ」がエスカレートして学校生活にも影響を及ぼすことがあります。
子どもがSNSでトラブルを抱えていても、身近な大人に言い出せずに一人で悩んでしまうケースも少なくありません。
ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺
SNSを使っていると、子どもが何気なく「ここをクリック!」と書かれたリンクを押してしまうことがあります。
それが、いわゆるワンクリック詐欺やフィッシング詐欺の入り口になっている場合があります。
ワンクリック詐欺では、クリックしただけで「有料会員登録されました」などと表示され、お金を払うように脅されることがあります。
フィッシング詐欺では、偽のサイトに誘導されてアカウント情報や住所、名前、クレジットカード情報などを入力させられ、個人情報が抜き取られてしまいます。
「親に知られたくないサイトを見ていた」「勝手にクリックしてしまった」と思うと、子どもは相談できなくなり、被害が大きくなることもあります。
性被害・児童ポルノ
SNSでは、年齢や素性を偽った相手と簡単にやり取りができてしまいます。
「同じ趣味の人だと思って仲良くなったら、実は大人だった」「友人だと思ってメッセージを送っていたら、赤の他人だった」というケースは決して珍しくありません。
悪意ある大人は、子どもに近づくために「共通の興味」を装い、仲良くなったあとで裸の写真を要求したり、実際に会うように誘導したりします。
最初は応じてしまっても、「言うことを聞かないと写真をばらまく」と脅されて、深刻な性被害や児童ポルノの被害につながることもあります。
投稿から個人情報が特定されるストーカー被害
子どもが無意識に投稿した写真やメッセージから、自宅の場所や通っている学校などが特定されてしまうことがあります。たとえば…
こうした情報が組み合わさることで、ストーカー被害や付きまといなどの深刻なトラブルに発展する可能性があります。
著作権侵害によるトラブル
子どもたちは悪意なく、アニメのキャラクター画像や有名人の写真をSNSに投稿してしまうことがあります。
しかし、これは著作権侵害という法律違反にあたる可能性がある行為です。
また、自分の歌っている動画やダンスを投稿しただけでも、使用した音楽や映像が著作権で守られていれば、訴えられるリスクもあるのです。
SNSアカウントの乗っ取りとなりすまし
SNSの利用にはアカウントが必要ですが、子どもが怪しいサイトにアクセスして情報を入力したり、知人を装った相手にパスワードを教えてしまったりすると、アカウントが乗っ取られる危険があります。
乗っ取られたアカウントは、本人になりすまして不適切な投稿をされたり、他人に詐欺まがいの連絡を送られたりするなど、トラブルの温床になります。
SNSを通じて小学生が犯罪に巻き込まれた事例
実際にSNSを通じて、どのような犯罪に小学生が巻き込まれてしまっているのか、事例を紹介します。
SNSを通じて知り合った小学生の女子児童をホテルに連れ込み性的暴行を加えたとして音楽教室の30代の講師が逮捕されました。(中略)
警察によりますと去年2月、当時小学5年生で11歳だった女子児童を神奈川県厚木市のホテルに連れ込み性的暴行を加えた疑いが持たれています。
容疑者はSNSのインスタグラムを通じて「会おう」などとメッセージを送り、事件の当日、初めて会っていたということです。
今回報じられた事件は、SNSを通じて出会った見知らぬ大人に誘われ、小学5年生の女子児童が性的暴行を受けたという、極めて深刻な児童被害事件です。
小学生の子どもたちのSNS利用が日常化する中、見えない加害者の存在と、その巧妙な手口が浮き彫りになったと言えるでしょう。
子どもにとってSNSは、気軽に友達とつながれたり、自分の好きな世界を共有できたりする便利で楽しいツールです。
しかしその一方で、今回のように子どもの信頼を利用して接近し、犯罪へと誘導する大人が現実に存在するということを、決して忘れてはなりません。
SNSに起因する犯罪被害に遭った子どもの人数
警察庁が2025年3月に発表した「令和6年における少年非行及び子供の性被害の状況」によると、2024年にSNSをきっかけに犯罪の被害に遭った小学生は136人にのぼりました。
「小学生だから危険なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、犯罪の被害に遭った中学生は715人、高校生は582人と、さらに多くの子どもたちが被害に巻き込まれている実態があります。
中学生や高校生でさえ、SNSを通じた犯罪の被害を防ぎきれていないのです。
そう考えると、判断力や経験の乏しい小学生は、さらにリスクが高い存在であることがわかります。
人気のSNSの利用年齢制限(推奨年齢)
小学生の子どもたちがSNSによるトラブルや犯罪の危険にさらされないように、各SNSの運営会社では利用年齢に関する規定(利用年齢制限や推奨年齢)を設けています。
これは、子どもたちがまだ情報を正しく判断する力や、ネット上での責任を十分に理解できない段階にあることを前提にして、安全を守るために設けられた大切なルールです。
特に小学生の間で話題になりやすい人気のSNSについて、それぞれの年齢制限を紹介していきます。
LINEの利用推奨年齢
【重要なお知らせ】青少年保護のためLINEの利用推奨年齢を12歳以上に引き上げます
青少年に安心安全にLINEをご利用いただくための取り組みの一環として、LINEのアプリストア上の利用推奨年齢を12歳以上に引き上げます。これにより、保護者の皆様がOSのペアレンタルコントロールを活用して、LINEの利用について管理できるようになります。具体的には、2019年12月頃より、iOS(iPhone)版LINEの利用推奨年齢も12歳以上に変更予定です。12歳未満の利用を禁止するものではありませんが、ご家庭で十分に話し合い、保護者の許可を得てご利用ください。
LINEの利用推奨年齢は「12歳以上」と規定されています。
また、青少年のユーザーをSNS上のトラブルから未然に防ぐため、携帯キャリア各社と連携し、18歳未満の方に対して一部の機能制限を行っています。
具体的には、LINE IDの設定やID検索、電話番号を使った友だち検索機能、オープンチャットの一部機能などが利用できないように制限されています。
なお、すべての機能を利用するには、LINEアプリ内で年齢確認の手続きを行う必要があります。
Instagramの年齢制限
Instagramに登録できるのは、13歳以上の方のみです。一部の国では、この年齢はさらに高くなります。Metaでは、利用者がティーン(13~17歳)だとわかっている場合、デフォルトで非公開アカウントを設定する、知らない成人からの迷惑な連絡をブロックする、広告主が広告でリーチする際のオプションを制限するなど、利用者の年齢にふさわしい体験を提供しています。
Instagramの年齢制限は「13歳以上」と規定されています。
もし、13歳未満の子どもがアカウントを作成すると、規約違反となりアカウントが削除されます。
また、10代の利用者を守るために、16歳未満のユーザーには「ティーンアカウント」と呼ばれる仕組みが導入されています。
このティーンアカウントでは、初期設定でアカウントが非公開になるほか、利用時間を制限する機能などがあり、未成年者が安全に利用できるよう配慮されています。
Xの年齢制限
Xのサービスを利用するには、13歳以上である必要があります。国によっては、法の定めにより13歳以上であってもサービスの利用に際し保護者の同意が必要な場合があります。年齢要件を満たさない場合、Xは当該アカウントをロックし、再度有効にするには保護者の同意が必要である旨を記した通知を送ります。
Xの年齢制限は「13歳以上」と規定されています。
もし、年齢要件を満たしていないユーザーは、自動的にアカウントが削除されます。
また、未成年(13歳以上18歳未満)のユーザーについては、アカウントの初期設定として投稿が「非公開(鍵付きアカウント)」になっていることで、投稿はフォロワーのみに表示され、検索結果にも表示されません。
フォローしたいユーザーからリクエストが届いた場合、未成年のユーザーはそれを「承認」または「拒否」することができます。
YouTubeの年齢制限
年齢に関する要件
本サービスを利用するには、13 歳以上である必要があります。ただし、親または保護者によって有効にされていれば、あらゆる年齢のお子様に 本サービスおよび YouTube Kids (利用可能な地域の場合)をご利用いただけます。
YouTubeの年齢制限は「13歳以上」と規定されていますが、保護者の管理のもとであれば、13歳未満の子どもも利用することが可能です。
そのためには、保護者が「管理対象アカウント」を作成する必要があります。
このアカウントは、子どものGoogleアカウントを保護者のGoogleアカウントと連携させる仕組みで、保護者が利用状況を確認・管理できます。
TikTokの年齢制限
お子様が正しい生年月日を登録することの重要性
TikTokを利用できるのは、13歳以上(インドネシア、ケベック、および韓国では14歳以上)のユーザーのみです。TikTokは年齢にふさわしい体験をしていただけるように努めているため、お子様が正しい生年月日を登録することは重要です。たとえば、若いユーザーは、TikTokの機能の一部を使用することができません。TikTokでダイレクトメッセージを送受信したり、他のユーザーに自分のコンテンツのダウンロードを許可したり、自分の動画とのリミックスおよびデュエットを許可したりするには、16歳以上である必要があります。詳細については、お子様のプライバシーと安全の設定をご確認ください。
TikTokの年齢制限は「13歳以上」と規定されています。
そのため、この年齢未満の方はアカウントを作成することができません。
アカウント登録時には生年月日の入力による年齢確認があり、たとえ年齢を偽って登録できたとしても、後に13歳未満であることが判明した場合、そのアカウントは永久に停止される可能性があります。
BeRealの年齢制限
4. 子供のデータ
BeRealは、13歳未満の子供に関するいかなる個人データも故意または自発的に収集することはありません。お住まいの国によっては、あなたがその国の同意年齢未満である場合、親または後見人がアプリの利用に同意する必要があることがあります。 13歳未満の方はBeRealを使用しないでください。
BeRealの年齢制限は「14歳以上(13歳未満)」と規定されています。
そのため、13歳未満の子どもがアプリをダウンロードして利用することはできません。
また、アカウント登録の際には生年月日による年齢確認があり、規定された年齢に達していない場合は登録自体ができない仕組みになっています。
【まとめ】各SNSの利用年齢制限(推奨年齢)
SNS | 利用年齢制限(推奨年齢) |
---|---|
LINE | 12歳以上 |
13歳以上 | |
X | 13歳以上 |
YouTube | 13歳以上 ※保護者の管理下なら、13歳未満の子どもも利用可能 |
TikTok | 13歳以上 |
BeReal | 14歳以上 |
LINEは、原則として12歳以上(小学6年生程度)であれば利用が可能です。
一方、YouTubeについては、保護者の管理のもとであれば13歳未満の子どもでも一部の機能を利用することができます。
しかし、それ以外の主要なSNS(Instagram、X、TikTok、BeReal)は、いずれも12歳未満の利用を禁止しており、小学生が利用することは基本的にできません。
小学生がSNSを利用する際の4つの注意点
SNSは、情報を手に入れたり、コミュニケーションを楽しんだりできる便利なツールです。
しかし、心を傷つける言葉・危ない人との出会い・個人情報の流出・時間の使いすぎなど、小学生の子どもたちにとって大きなリスクがある世界でもあります。
その危険から守るために、SNSを使うときの注意点を4つ紹介します。
- そもそも小学生はSNSを利用しない。
- 利用規約が読めなければ使わない。
- 言葉の選び方に注意する。
- 知らない人は信用しない。
①そもそも小学生はSNSを利用しない
前述の通り、ほとんどのSNSは、利用規約で『13歳以上』と定めているという事実であり、小学生(12歳以下)はそもそも使ってはいけないというのがルールなのです。
「うちの子はしっかりしてるから大丈夫」「周りもやっているから…」という理由で、年齢を偽って使わせるケースが後を絶ちません。
しかしそれは、本人に嘘をつかせ、ルールを破る経験を積ませることでもあります。
大人が率先してルールを軽視する姿勢を見せてしまえば、子どもは将来、どんなルールも「守らなくていいもの」と認識する恐れがあります。
②利用規約が読めなければ使わない
多くのSNSには、利用規約やプライバシーポリシーが数千〜一万字以上の文章で記載されています。
内容は法律的な表現も多く、大人でも読み通すのに時間がかかります。
小学生の段階で利用規約を読み、次の内容を正確に理解することは非常に難しいでしょう。
「自分で読んで、理解して、納得してから使う」という原則を教えることこそが、子どもを守る教育なのです。

SNSを利用している子どもに、「そのSNSの利用規約には、どんなことが書かれているか知ってる?」と質問してみると、「知らない」「読んだことがない」「利用規約ってなに?」といった返答が返ってくることがあります。
③言葉の選び方に注意する
SNSでは、短い文章をテンポよくやり取りしたり、スタンプや絵文字を使って感情を表現したりすることが多く見られます。
こうしたコミュニケーションは気軽で楽しい反面、自分の意図が伝わりにくかったり、相手に誤解を与えたりすることも少なくありません。
「そんなつもりじゃなかったのに…」というトラブルが起こる前に、メッセージを送る前に一呼吸おいて『これで相手はどう感じるかな?』と考える習慣を持たせましょう。
会話と違って、文字は感情が伝わりにくいため、誤解されやすい特徴があるということも伝えておく必要があります。
④知らない人は信用しない
SNS上には、やさしく話しかけて信頼を得ようとする大人のふりをした犯罪者が、子どもをターゲットにして近づいてくるケースがあります。
「これは内緒だよ」「親や友だちには言わないでね」などと語りかけ、子どもを孤立させて安心させたうえで、実際に会おうと誘ってくることもあります。
さらに、「モデルに興味ある?」「かわいいから写真を見せて」などといった甘い言葉を使って信じ込ませ、裸や下着姿の写真を送らせようとする悪質なユーザーも存在します。
SNSを使っていて少しでも「こわい」「変だな」と感じた時には、迷わず身近な大人に相談するように伝えることが大切です。
保護者ができる4つのSNS対策
近年、次から次へと新しいSNSが登場し、目まぐるしく機能が追加されたり、突然あるアプリが爆発的な人気を集めたりすることが珍しくなくなってきました。
子どもたちは、その流行を素早くキャッチし、興味や関心のままに使い始めてしまうこともあります。
こうした急速に変化するSNSの世界に対して、保護者がすべての情報を把握し続けることは、正直なところ大変難しいことです。
だからこそ、どんなSNSが流行っても変わらない「保護者ができる4つSNS対策」を家庭でしっかり整えておくことが、もっとも重要な備えになります。
- ペアレンタルコントロールを活用する。
- 家庭内のSNSルールをつくる。
- SNSの使い方と「起こりうる危険」について話し合う。
- いつでも相談できる関係をつくる。
①ペアレンタルコントロールを活用する
ペアレンタルコントロールとは、子どもがスマートフォンやタブレット、パソコンなどを使うときに、保護者がその使い方を見守り、安全に使えるように制限・管理できる機能や仕組みのことです。
たとえば、次のようなことが可能です。
SNSアプリは、「友だちに合わせて使いたい」「一回だけなら…」と使い始めてしまうことも多いため、最初から保護者側で管理する環境を整えておくことが効果的です。
特に、フィルタリング機能を使うことで、出会い系、アダルト、暴力表現など、子どもにとって有害な情報にアクセスできないよう制限することができます。
スマートフォン契約時に、18歳未満の子どもにはフィルタリング設定が法律で義務付けられています。
②家庭内のSNSルールをつくる
SNSトラブルの多くは、使用場所・時間・内容に対する制限のなさが原因です。
だからこそ、家庭内でスマホやSNSに関するルールを子どもと一緒に決めることが重要です。
また、ルールは一度決めたら終わりではありません。進級や長期休みを機に見直すことで、親子の対話も自然に生まれます。
③SNSの使い方と「起こりうる危険」について話し合う
ルールや制限だけでは、子どもは本当の意味でSNSの危険性を理解できません。
だからこそ、「なぜダメなのか?」「何が起こるのか?」を、丁寧に伝える必要があります。
以下のようなポイントを、できれば事例と一緒に話し合ってみてください。
「隠れて使ってはいけない」理由を納得してもらうことが、強い抑止力になります。
④いつでも相談できる関係をつくる
SNS上で起きるトラブルの中には、「誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまったこと」が原因で深刻化するケースが非常に多くあります。
最初は小さな不安や違和感だったのに、「こんなこと言ったら怒られるかも」「恥ずかしいから言えない」という思いから、声を上げられず、結果として取り返しのつかない問題に発展してしまうのです。
保護者が、子どものすべての投稿やメッセージを把握することは現実的に不可能が、「何かあったらすぐに話せる」「怒られずに受け止めてもらえる」という安心感のある家庭環境をつくることはできます。
そのために、日常の中で次のようなコミュニケーションを意識してみましょう。
SNSとの付き合い方について、家庭の中でオープンに話せる空気をつくることが、何よりも大切な対策になります。
SNSトラブルが起きたときの6つの解決策
SNSの利用において、どれだけ注意事項を守り、家族全員で子どもを見守ろうとする姿勢をとっていたとしても、トラブルに巻き込まれるリスクを完全にゼロにすることはできません。
そのため、万が一SNS上でトラブルが発生した場合に備えて、あらかじめ「どのような対処法があるのか?」を知っておくことがとても大切です。
事前に知識があるだけで、いざというときに慌てず冷静に対応する助けになります。
ここでは、子どもがSNSトラブルに巻き込まれてしまった際に取るべき対応策を6つご紹介します。
- 反応しない。
- 証拠を必ず残す。
- SNSの非表示・ブロック機能を活用する。
- 削除依頼を出す。
- 発信者情報の開示請求を視野に入れる。
- 警察に相談する。
①反応しない
SNSで悪口を書かれたり、不快なコメントを受け取ったとき、すぐに反応してしまうのは逆効果です。
相手が「反応を楽しんでいる」「エスカレートさせたい」と思っている場合、反応すればするほど状況が悪化するおそれがあります。
特に、小学生同士のやりとりでは、「ノリ」「悪ふざけ」「冗談のつもり」が重なり、無意識のうちに深く傷つくケースが多く見られます。
一度立ち止まって冷静になり、「見ない」「返さない」「無視する」という選択も立派な対応になるのです。
②証拠を必ず残す
誹謗中傷や嫌がらせの投稿・メッセージを見つけたら、証拠として記録に残すことが最優先です。
多くの場合、投稿者は後から内容を削除するため、記録がないと対処が難しくなるからです。証拠を記録する方法は、次の通りです。
子どもだけでなく、保護者も一緒に記録を残すことで、第三者にも信頼されやすくなります。
③SNSの非表示・ブロック機能を活用する
多くのSNSには、特定のユーザーの投稿を「非表示」にしたり、「ブロック」してつながりを断つ機能が用意されています。
こうした機能は、SNS上で不快な思いをしたときに、すぐにできる有効な対処法のひとつです。
たとえば、嫌がらせや悪口の投稿を何度も目にしてしまうと、それだけで気持ちが落ち込んだり、不安になったり、学校生活や家庭での様子にも影響が出ることがあります。
しかし、非表示やブロックを活用すれば、相手の投稿やメッセージが画面に表示されなくなるため、それ以上のストレスを受けずに済むようになります。
トラブル相手とのやりとりを遮断するだけでも、精神的な負担が大きく軽減されます。
④削除依頼を出す
SNS上に実名・顔写真・学校名などの個人情報が公開されてしまった場合は、速やかに削除依頼を出すことが重要です。
こうした情報が第三者の目に触れることで、いじめや誹謗中傷、なりすまし、さらには犯罪被害につながる危険性もあるため、迅速な対応が求められます。
多くのSNSでは、「通報フォーム」「問題を報告する」などのメニューが設けられており、そこから迷惑行為やプライバシーの侵害、権利侵害などに該当する投稿を運営会社に報告することができます。
⑤発信者情報の開示請求を視野に入れる
SNS上で繰り返し悪質な書き込みや嫌がらせ、誹謗中傷を受けている場合、「発信者情報開示請求」という法的な手続きを通じて、投稿者の情報を特定することが可能です。
この手続きによって、SNS運営会社から投稿者のIPアドレスや投稿日時などのログ情報を開示してもらい、それをもとに契約しているインターネットプロバイダを特定し、さらに氏名・住所・メールアドレスなどの情報を請求することができます。
この情報が得られれば、弁護士を通じて損害賠償請求や刑事告訴などの対応を進めることも可能になります。
⑥警察に相談する
SNS上の書き込みが、以下のような犯罪行為に該当する場合には、迷わず警察に相談してください。
これらは、いずれも子どもが深刻な心の傷を負うおそれがある重大な問題です。SNSだからといって「遊びの延長」と片づけてはいけません。
まとめ
今回は保護者や先生が知っておくべき小学生のSNSトラブルと主に家庭でできる14の防衛策(4つの注意点+4つのSNS対策+6つの解決策)について紹介しました。
- SNSは、友達とつながる楽しさや学びのきっかけがある反面、小学生には誤解・いじめ・犯罪被害などの大きなリスクがあること
- 「使わせない」ではなく、「使う前に教える」「使いながら学ばせる」という考え方で、段階的に使い方やマナーを教えることが大切であること
- 主に保護者が、ルールの共有・対話の習慣・トラブル時の対応策をしっかり整えておくことで、子どもは安心してSNSと向き合うことができるようになること
この記事を読んだことで、「子どもにSNSをどう教えればいいのか」「どんなふうに関わっていけばいいのか」といった不安が少し和らぎ、今すぐ取り組めるSNSへの対応を考えられるようになったのではないでしょうか。
SNSは、時代とともに変わり続けるツールですが、子どもを守るために必要な考え方と準備の本質は変わりません。
「ルールを守らせる」こと以上に大切なのは、子ども自身が「守ろう」と思える関係性と環境をつくってあげることです。
そのためには、日常の中でSNSについて気軽に話せる雰囲気づくりや、困った時にすぐ相談できる安心感が何よりの土台になります。
子どもと一緒に、安心してSNSと向き合える毎日をつくっていきましょう。